泣き叫ぶ子どもにヘグロを塗るメンドン=19日、指宿市山川利永
鹿児島県指宿市山川の利永集落で19日、顔にヘグロ(すす)を塗って無病息災を祈る伝統行事「メンドン」があった。奇抜な面や衣装を身につけたメンドンが集落を練り歩き、逃げ惑う子どもらの悲鳴や笑い声が響いた。
一行は利永神社で神事をした後、集落センターを出発。太鼓やかねの先触れを聞きつけて出てきた住民らは、みこしをくぐって縁起物の白飯やお神酒をもらった。ひょっとこや鬼の面をつけたメンドンが大根の先でヘグロを塗って回ると、泣き叫ぶ子どもたちもいた。
毎年家族で訪れるという同市の柳田小学校1年、前薗結依花さんは「3歳くらいまでは怖くて逃げていたけれど、今は平気」。集落に住む祖母の前薗伊公子さん(63)は「1年間、みんなが元気で過ごせるように願いを込めた」と目を細めた。