三島村硫黄島の山林火災現場=20日午前0時半ごろ(同村提供)
鹿児島県三島村硫黄島の南西部にある岬で起きた山林火災は24時間以上たった20日も燃え続け、同日午前7時半ごろから、陸上自衛隊のヘリコプターによる消火活動が続いた。村によると、焼失面積は5000平方メートル以上に及び、鎮火のめどは立っていない。同日夕までに、集落に近い岬の北側は火の勢いを食い止められているという。けが人はいない。
塩田康一県知事が19日午後10時半、陸自に対し消火活動の災害派遣要請をした。県危機管理課によると、ヘリ3機が20日、上空から水をかけるなどした。大山辰夫村長と職員8人も同日、鹿児島市の村役場から急きょ島に入り、現地で対応に当たった。
硫黄島には小型消防車が1台しかなく、村は同日、鹿児島市消防局に応援を要請。県内消防相互応援協定に基づき、同市消防局といちき串木野市、南さつま市、枕崎市、指宿南九州消防組合の4消防本部から計27人と10トン水槽車など8台を派遣した。
村などによると、火災は19日午前11時50分ごろ、硫黄島港近くの集落から南西に約500メートル離れた「岬橋」近くにある竹などの生えたやぶで発生。現場は、集落よりも約100メートル高い断崖状の岬にあり、南北に広がるように延焼している。同村は住民のため、三島開発総合センターを開放しているが避難した人はいない。