鎮火が確認された三島村硫黄島の山林火災跡=24日午後2時ごろ(同村提供)
鹿児島県三島村硫黄島で19日から続いていた山林火災は、発生から6日目の24日午後1時45分、同村が鎮火を確認した。同村によると、焼失面積は約6万3000平方メートルだった。
大山辰夫村長や消防団が同日、現地を見回り、鎮火を確認。焼失面積は当初、火元とみられる「岬橋」近辺の約5000平方メートルと推定されたが、南北に燃え広がったため大幅に増えた。
大山村長は「住民や関係機関の協力、連携があってこそ鎮火できた。今回の火災を教訓に消防設備や体制を見直し、少しでも初期消火できるよう努めたい」と話した。
火災は19日午前11時50分ごろ、南西部の岬で発生し、竹やぶなどが焼けた。陸上自衛隊や宮崎県のヘリコプターが上空から散水したほか、地上では県本土からの応援の消防隊が活動し、23日までにほぼ沈静化。けが人や建物の被害はなかった。
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三島村硫黄島では24日午後2時ごろ、島内放送で山林火災の鎮火宣言が流れ、住民には安堵(あんど)が広がった。
「これで安心して過ごせる」と話すのは畜産業を営む硫黄島地区長の徳田保村議(70)。「出火から3、4日間はみんな人家への影響を気にしていた。強風が吹かず運がよかった。被害が牧草地まで広がらず、農家への影響もなかった」と胸をなで下ろした。
三島硫黄島学園教員の女性(38)は、2人の息子がいつでも避難できるようリュックサックに道具を準備していた。鎮火宣言を聞き「日常が戻ってくる安心感があった」。
民宿経営の男性(26)は「崖の側面がバチバチと燃えて、火の粉が住宅地側の地面に落ちたらと不安な日もあった」と振り返り、「現場周辺を見守ってくれた島の消防団に感謝したい」と語った。