2026年度から学生募集を停止する鹿児島純心女子短大=24日、鹿児島市唐湊4丁目
「純短(じゅんたん)」と親しまれ、多くの卒業生を送り出してきた鹿児島純心女子短大が、2026年度以降の学生募集を停止する。24日、突然の発表に在学生や卒業生、関係者からは驚きや惜しむ声が上がった。
昼ごろ、構内のホールに集められた在学生は、鹿児島純心女子学園の松下栄子理事長と短大の山口明美学長から募集停止を伝えられた。
生活学科1年の学生は「急で驚いた」と話す。“マドンナブルー”の制服に憧れて進学した。昨秋から私服が解禁されたが、今も着る学生は多いという。「卒業後、町中で見られないのは悲しい」と残念がった。
「本当ですか-」。1994年度卒のタレント、福元ゆみさん(50)は一報に言葉を失った。昨年5月に同窓会「ゆかり会」の会長に就任。12月には後輩の学生たちに講演したばかりだった。「閉校しても短大で培った学びは消えない。“純心スピリッツ”を受け継ぐ在学生を最後まで支えたい」と語った。
卒業生や関係者からも惜しむ声が相次いだ。西之園君子名誉教授は2期生として家政科を卒業。「裁縫や調理を学ぶ楽しさを知り、研究者を志すきっかけになった」と振り返る。87年に母校に戻り、31年にわたって後輩を指導した。「残念だが鹿児島の教育界に大きく貢献した」とたたえた。
作家の島尾敏雄(17~86年)も晩年、短大の教壇に立ち、琉球古謡を集めた「おもろさうし」などについて講義した。交流があった三島盛武名誉教授は「図書館長も務め、短大での生活を楽しんでいた」と懐かしがった。