上海線再開後初の「春節」もうすぐ到来…県内観光関係者膨らむ期待、鹿児島のファン増やそうと工夫凝らして準備着々

2025/01/26 06:00
春節にあわせ来鹿した中国客を出迎える大島紬クイーンら=25日午後1時ごろ、霧島市の鹿児島空港国際線ターミナル
春節にあわせ来鹿した中国客を出迎える大島紬クイーンら=25日午後1時ごろ、霧島市の鹿児島空港国際線ターミナル
 中華圏の春節(旧正月)が29日から始まる。新型コロナウイルス禍で運休していた鹿児島空港(霧島市)の上海線再開後は初めてで、今年は28日から2月4日までの大型連休となる。鹿児島県内の観光関係者は、この機会に鹿児島ファンになってもらおうと、おもてなしに力を注ぐ。

 25日午後、鹿児島空港に一足早く春節を楽しむ中国人ら約120人を乗せた上海便が到着した。県職員らが「ニーハオ」と歓迎し、観光パンフレットなどを詰めた袋を配布。出迎えた本場大島紬クイーンの山下藍加さん(32)は「温泉や食べ物を満喫して、また来たいと思ってもらえるとうれしい」と笑顔を見せた。

 春節期間中の稼働率が9割を超える城山ホテル鹿児島(鹿児島市)では、通常15%程度のインバウンド(訪日客)率がピークは6割近くになる。韓国、中国、台湾の順に多く大半が東アジア。昨年は直行便がなく1割弱だった中国客は今年3割強となり、「定期便復活の影響は大きい」と渡千左代専務執行役員(60)。

 28~30日は餅つきや羽子板の体験のほか、甘酒やぜんざいをふるまう。コロナ前に好評だった鏡開きなどがあるパーティーを再開予定で「日本の正月も楽しんでほしい。記憶に残る体験が鹿児島の魅力発信や誘客につながるはず」と話す。

 上海線再開後の昨秋の国慶節(建国記念日)に、中国人客でにぎわった同市の「レストラン ルドーム」。鹿島匡人料理長(41)は「鹿児島最高峰の食材と伝統的な味付けを知ってもらう機会になれば」と、春節では鹿児島黒牛やタンカンといった県産食材を使う特別メニューを用意する。

 コロナ禍で、鹿児島空港の国際定期全4路線は2020年3月までに全て運休。24年7月の上海線を最後に全て復活したが、便数はコロナ前の半分程度だ。ホテル&レジデンス南洲館(同市)の予約は、昨年より上向くものの動きはまだ鈍いと感じる。橋本龍次郎取締役(61)は「便数がコロナ前に戻れば、復活を実感できそう」と今後の増便に期待した。

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