部員が6倍、活気取り戻した少年野球チーム。勝利至上主義を捨て、交流試合を減らした60代監督の自己改革「指導者が変わらないと…」 霧島・国分北小

2025/01/27 06:28
捕球練習に励む国分北ジャイアンツの子どもたち=霧島市の隼人工業高校グラウンド
捕球練習に励む国分北ジャイアンツの子どもたち=霧島市の隼人工業高校グラウンド
 鹿児島県霧島市の国分北小学校軟式野球チーム「国分北ジャイアンツ」の団員数がV字回復している。5年前は4人しかいなかったが、今では24人と6倍に急増。校区外から入団する児童もいる。「野球を楽しむ」をモットーとした指導方針や保護者の負担を軽くしたことが奏功している。

 19日、同市の隼人工業高校のグラウンドに、国分北ジャイアンツの子どもたちのにぎやかな声が響いた。ノック練習で好プレーが出ると「うまい」と褒め、ミスがあっても「ドンマイ」と声をかけ合う。主将の高橋瀬人(らいと)さん=国分北小6年=は「仲の良いチームで野球の楽しさを知った。中学でも続けたい」と話した。

 チーム創設は1983年。2011年には県学童軟式野球選手権大会で優勝、全盛期には30人以上の団員がいた。しかし10年ほど前から減り始め、20、21年は国分南小と合同チームを組まないと練習もままならないほどになっていた。

 それを受け、指導歴24年の西義哉監督(67)は5年前から教え方を変えた。試合に勝つことより、野球を楽しむことを重視。各団員のレベルに応じて取り組む課題を設定し、ゲーム感覚で励める練習法を考えた。

 また、朝から夕まで練習することをやめて2~3時間と決め、交流試合も減らした。保護者の負担も軽くする取り組みが評判を呼び、校区外からも入団希望者が集まるようになった。

 西監督は「昔は勝利至上主義だった時期もあり、厳しい練習が中心だった」と振り返る。競技人口を増やすためには、指導者が変わらないといけないと痛感している。「子どもたちには野球を通じて人として大きく育ってほしいという思いは変わらない」と話した。

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