南薩3市の消防・救急、管轄区域超え出動可能に システム更新に合わせて連携、26年度から自動で指令 管轄境界事案対応の時短効果に期待

2025/01/28 15:30
連携強化について定めた協定書を手に笑顔を見せる関係者=27日、南九州市の南九州消防署
連携強化について定めた協定書を手に笑顔を見せる関係者=27日、南九州市の南九州消防署
 指宿、南九州両市を管轄する指宿南九州消防組合と南さつま市消防本部は、共同運用する南薩3市消防指令センターのシステム更新に合わせて連携を強化する。管轄区域を越えたはしご車や救急車の自動出動指令が、2026年度から鹿児島県内で初めて可能となる。

 南九州市知覧の南九州消防署で27日、関係者が協定書に署名した。両消防は16年4月から指令センターを共同運用しているが、機器の耐用年数などを考慮し25年度から全面更新に向けた工事に入り、26年3月にも仮運用を目指す。

 連携・協力体制の強化策として、両管轄区域の境界付近ではしご車が必要な災害が発生した場合、最も早く駆け付けられる隊に自動的に出動指令する。救急では南さつま市と南九州市を対象に、救急車が出払って後発事案に対応できない際に管轄を超えて指令を出す。いずれも現場到着時間の短縮などが期待できる。

 国が推進するマイナンバーカードを活用した救急業務では、3市で活動する救急車全てに専用の読み取り機器を整備し、共同で職員の研修などを行う方針。南薩3市消防通信指令事務協議会長を務める打越明司指宿市長は「3市で協力し、課題を勉強しながら運用していく」と話した。

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