時計 2021/03/20 06:30

縄文土器にゴキブリ卵 4300年前「豊かな食生活」裏付け 串良・小牧遺跡で圧痕発見

クロゴキブリの卵跡が残る縄文土器片。中央上のくぼみが卵鞘(らんしょう)の跡(鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター提供)
クロゴキブリの卵跡が残る縄文土器片。中央上のくぼみが卵鞘(らんしょう)の跡(鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター提供)
 鹿屋市串良の小牧遺跡で出土した縄文時代後期(約4300年前)の土器の底から、クロゴキブリの卵の圧痕(あっこん)が見つかった。鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター(霧島市)が19日発表した。県内では初の発見で、同センターは「縄文後期に安定的な食料資源があったことが分かる」としている。

 土器片に残る圧痕は長さ約11ミリ、幅5ミリ、厚さ3ミリのくぼみ。シリコンゴムを使った型取りなどを実施し、形状や大きさから、クロゴキブリの卵鞘(らんしょう)(卵を包むカプセル)と分かったという。土器が焼かれる前に付いたと考えられる。

 クロゴキブリは、18世紀以降に中国から渡来した外来種とみられていた。しかし5年前、卵鞘圧痕のある縄文後期の土器が宮崎市の本野原(もとのばる)遺跡で確認。今回の発見で、縄文時代から日本に存在した可能性がより高まったという。

 小牧遺跡は旧石器時代から江戸時代までの複合遺跡で、縄文時代の集落跡なども出土。東九州自動車道建設に伴い、同センターが2013~17年度に発掘調査した。寺原徹・調査課長は「“害虫”がいたことから、採集や狩猟による豊かな食生活を想像できる」と話した。