7候補の第一声
古里の未来 誰に託す
(2020-06-26)
6月25日告示された鹿児島県知事選は、現職、元職、新人5人の計7人が立候補を届け出て17日間の選挙戦がスタートした。7候補は鹿児島市や薩摩川内市での第一声を上げた。現職が4年間の実績をアピールし、県政の「継続」を呼び掛ける一方、元職と新人は現県政の継続に反対する立場から「刷新」を訴える。各候補とも、県民の命や暮らしに関わる問題として新型コロナウイルス対策を重点政策に掲げる。集まった支持者に思いをぶつけ、支持拡大を求めた。それぞれの第一声を紹介する。
武田 信弘候補(66)
今回の新型コロナでは、重要なことが伝わっていない。ひょっとしたら、何十年も感染拡大が続く場合も予想されるが、ほとんど話題に上がってこない。これが大規模な世論操作の典型で、そうした例はいくつもある。
今後、関東地方で首都直下地震や富士山の噴火が起きれば、居住環境が悪化することが考えられる。すると、気候の温暖な地域である南九州に移住しようという動きが出てくるはずだ。そうなる前に、居住環境を整備しておく必要がある。
そのために役立つのが地熱で、ぜひ関心を持っていただきたい。特に、鹿児島県庁が地熱についてきちんと検証し、音頭を取って開発を促せるかが非常に重要になってくる。地熱開発をやっていけば、原発をやめることができる。
九州で地熱を生かして、日本のエネルギーと食糧自給率を高めていく必要がある。鹿児島はそれができる最も適した地域だという点を分かってほしい。地熱開発には数年かかる。今ならまだ間に合う可能性がある。ぜひこの機会を捉え、地熱開発に一気にかじを切っていただきたい。
横山富美子候補(73)
立候補した理由の一つは原発を止めるため。稼働するだけで多くの放射性物質を生み出す。使用済み核燃料は青森県六ケ所村で再処理されるものの、プルトニウムを取り出した後の高レベル放射性廃棄物はどうするのか。核兵器の原料になるプルトニウム保有で抑止力を強めたい考えもあるだろうが、放射性廃棄物は長い間放射線を出し続ける。先の世代にも思いを寄せてほしい。
もう一つは、西之表市馬毛島への米軍訓練移転など県が軍事基地化されつつあるからだ。平和とは世界の人々が無事であること。互いに無事なら軍事力は要らない。自衛隊は憲法9条違反。武器を捨て自然災害に対応する組織になってほしい。理想論でなくやればできる。北朝鮮など近隣諸国へのメッセージにもなる。
新型コロナウイルス対策は、今は早期発見・隔離しかない。熱発患者の多くが他の疾患であり、PCR検査を拡充して振り分ける。抗体検査の実施も効率的だろう。大病院の近くに頑丈な隔離施設を造れば災害時の避難所にも転用でき、地域活性化や雇用拡大にもつながる。
青木 隆子候補(57)
今回の県知事選、たくさんの顔が並んでいる。「青木さん、なんで立候補したの?」と問われることがあるが、調べてみると鹿児島県はあまりにも女性の政治家が少なすぎる。
記者時代、離島を中心に出産の環境が厳しい場所に通い続けた。中には与論島や喜界島など出産する場所がない島もある。女性の声が県政に届いていない。県民に、全国の人に、この窮状を伝えないといけないと思い取材を続けた。
立候補しないかと声を掛けられた時期、ちょうど新型コロナ感染拡大の影響に伴う周産期医療や学習環境を心配していた。鹿児島は感染者が少なかったが、第2波、第3波、もしくは次の感染症が流行したらどうするのか。
インターネット環境を整備し、オンライン受診や授業の仕組みを確立させることで、妊婦や子どもたちを取り残さない鹿児島がつくれる、と決意した。
私の使命は声なき声を届けること。生活者の目線で、女性の感性で鹿児島県に新しい風を吹かせていくこと。大切なのは命と暮らし。誰一人取り残さない鹿児島を実現する。
三反園 訓候補(62)
新型コロナウイルスの対応で県民にさまざまな協力をもらい、医療関係者に尽力いただいた。心から感謝したい。集団感染を起こさぬよう徹底的に対策を取った。第2波、3波に備え引き続き万全の対応を取っていく。4万人が対象のディスカバー鹿児島キャンペーンだけじゃない。商品券やキャンペーンをどんどん切れ目なく打って、観光鹿児島の復活、コロナからの復興をなし遂げる。
4年間、県民と共に歩む政治をやりたい、県民生活を少しでもよくしたいと走り続けた。子育てと高齢者の支援に全力で取り組んできた。農業では悲願だった産出額5000億円を突破し全国2位となった。輸出額も毎年最高を記録している。観光も宿泊者数、インバウンドが過去最高、観光消費額が3000億円を突破した。
今、コロナで厳しい状況。だからこそ民間の発想が大事だ。トップセールスに汗を流し、観光、農業を復活させる。歴史、自然、食、温泉などのポテンシャルを生かす。生まれてよかった、住んでよかったと思える鹿児島をつくるため、引き続きけ死んかぎい努力していく。
伊藤祐一郎候補(72)
4年前、私の至らなさから敗れた。皆さんの厚情に感謝しつつ、心からおわびしたい。
県政を立て直すつもりで立候補の意思を固めたが、状況は変わった。新型コロナにより今まで築き上げてきた社会の仕組みが壊れた。人の移動が制限され、交通機関、観光産業は機能しなくなった。会食もできず、鹿児島が誇るべき第1次産業はずたずたになった。
立候補に当たり、県内を隅々まで回った。鹿児島の風土、生活様式は多様だと改めて感じた。ここで暮らす人たちをどうやって守るのか。過去に事例がなく、新しいやり方を考えなくてはならない。
今は平時ではなく、危機管理の時。経験と実行力が必要で、他の候補者より優れている点だと思っている。再生に向け、金に糸目を付けず資金手当てする。1000億円単位のお金をかけ、ようやく鹿児島の経済が上向き、底固めができる。
第1次産業、観光業を基盤とし、アジアの国々と戦える県土を目指し、生活関連産業の振興を図る。県政の方向性は決まっている。力を合わせ21世紀の鹿児島をつくりたい。
塩田 康一候補(54)
やっとスタート地点に立てた。ここに至るまで「一本化しないと勝てない」「若いからもう1期待て」といろんなことを言われた。
私は4年後に向けポストが欲しいなどとは全く考えていない。4年前の知事選で、前の人では駄目だからと、県民は現職を選んだ。ただ、現県政も期待通りではないとの声が大きく、刷新しないといけない。だから職を投げ打ち、退路を断って帰ってきた。県民は誰に県政を託したいのか。前の人でも、今の人でもないと思うから、ここに今、私は立っている。
コロナ対策は経験がないとできないというが、私にも30年の行政実績がある。中身は中小企業対策であり経済復興だ。それができるのは、経済産業省で働いてきた私だけだ。
一本化が必要なのか、現職が強いのか、やってみなければ分からない。コロナの終息まで数年かかる。たった1期だけやらせてほしいという人に任せるわけにはいかない。10年先まで見据えた県政運営ができる若い候補に託してほしい。17日間の戦いで、皆さんとともに新しい鹿児島を勝ち取りたい。
有川 博幸候補(61)
新型コロナを受け、今日の出陣式は文書の案内は出さなかった。こんなにたくさん来てもらえるとは思わなかった。「俺は晴れ男」と話していたらその通りになった。最高の天からのプレゼントだ。
高齢者支援、身障者支援、子育て支援を中心に社会保障を充実させて、県民が安心安全を担保できる環境を整える。明日が楽しいと思える県政を推進していきたい。
喜怒哀楽を皆さんとともに寄り添って感じてきた。人の喜びに一生懸命共感できる人間こそ、つながっていける。人は人を支え、人は人を理解するということが一番大切だと思う。県民159万人の声をしっかり聞いて反映させ、「鹿児島はよかど」「鹿児島に住まんか」と胸を張って言える環境をしっかりとつくる。
今日も苦しんでいる人がいる。困っているなら、困っていると言ってほしい。それをみんなで聞いて、助けていこう。命は尊い。命を大切にする県政をしっかりと整えたい。
新しい鹿児島、日本一の鹿児島をつくろう。それは目の前に来ている。信頼してほしい。
(届け出順)
武田 信弘候補(66)
今回の新型コロナでは、重要なことが伝わっていない。ひょっとしたら、何十年も感染拡大が続く場合も予想されるが、ほとんど話題に上がってこない。これが大規模な世論操作の典型で、そうした例はいくつもある。
今後、関東地方で首都直下地震や富士山の噴火が起きれば、居住環境が悪化することが考えられる。すると、気候の温暖な地域である南九州に移住しようという動きが出てくるはずだ。そうなる前に、居住環境を整備しておく必要がある。
そのために役立つのが地熱で、ぜひ関心を持っていただきたい。特に、鹿児島県庁が地熱についてきちんと検証し、音頭を取って開発を促せるかが非常に重要になってくる。地熱開発をやっていけば、原発をやめることができる。
九州で地熱を生かして、日本のエネルギーと食糧自給率を高めていく必要がある。鹿児島はそれができる最も適した地域だという点を分かってほしい。地熱開発には数年かかる。今ならまだ間に合う可能性がある。ぜひこの機会を捉え、地熱開発に一気にかじを切っていただきたい。
(鹿児島県庁前で)
横山富美子候補(73)
立候補した理由の一つは原発を止めるため。稼働するだけで多くの放射性物質を生み出す。使用済み核燃料は青森県六ケ所村で再処理されるものの、プルトニウムを取り出した後の高レベル放射性廃棄物はどうするのか。核兵器の原料になるプルトニウム保有で抑止力を強めたい考えもあるだろうが、放射性廃棄物は長い間放射線を出し続ける。先の世代にも思いを寄せてほしい。
もう一つは、西之表市馬毛島への米軍訓練移転など県が軍事基地化されつつあるからだ。平和とは世界の人々が無事であること。互いに無事なら軍事力は要らない。自衛隊は憲法9条違反。武器を捨て自然災害に対応する組織になってほしい。理想論でなくやればできる。北朝鮮など近隣諸国へのメッセージにもなる。
新型コロナウイルス対策は、今は早期発見・隔離しかない。熱発患者の多くが他の疾患であり、PCR検査を拡充して振り分ける。抗体検査の実施も効率的だろう。大病院の近くに頑丈な隔離施設を造れば災害時の避難所にも転用でき、地域活性化や雇用拡大にもつながる。
(薩摩川内市の川内原発ゲート前で)
青木 隆子候補(57)
今回の県知事選、たくさんの顔が並んでいる。「青木さん、なんで立候補したの?」と問われることがあるが、調べてみると鹿児島県はあまりにも女性の政治家が少なすぎる。
記者時代、離島を中心に出産の環境が厳しい場所に通い続けた。中には与論島や喜界島など出産する場所がない島もある。女性の声が県政に届いていない。県民に、全国の人に、この窮状を伝えないといけないと思い取材を続けた。
立候補しないかと声を掛けられた時期、ちょうど新型コロナ感染拡大の影響に伴う周産期医療や学習環境を心配していた。鹿児島は感染者が少なかったが、第2波、第3波、もしくは次の感染症が流行したらどうするのか。
インターネット環境を整備し、オンライン受診や授業の仕組みを確立させることで、妊婦や子どもたちを取り残さない鹿児島がつくれる、と決意した。
私の使命は声なき声を届けること。生活者の目線で、女性の感性で鹿児島県に新しい風を吹かせていくこと。大切なのは命と暮らし。誰一人取り残さない鹿児島を実現する。
(JR鹿児島中央駅前広場で)
三反園 訓候補(62)
新型コロナウイルスの対応で県民にさまざまな協力をもらい、医療関係者に尽力いただいた。心から感謝したい。集団感染を起こさぬよう徹底的に対策を取った。第2波、3波に備え引き続き万全の対応を取っていく。4万人が対象のディスカバー鹿児島キャンペーンだけじゃない。商品券やキャンペーンをどんどん切れ目なく打って、観光鹿児島の復活、コロナからの復興をなし遂げる。
4年間、県民と共に歩む政治をやりたい、県民生活を少しでもよくしたいと走り続けた。子育てと高齢者の支援に全力で取り組んできた。農業では悲願だった産出額5000億円を突破し全国2位となった。輸出額も毎年最高を記録している。観光も宿泊者数、インバウンドが過去最高、観光消費額が3000億円を突破した。
今、コロナで厳しい状況。だからこそ民間の発想が大事だ。トップセールスに汗を流し、観光、農業を復活させる。歴史、自然、食、温泉などのポテンシャルを生かす。生まれてよかった、住んでよかったと思える鹿児島をつくるため、引き続きけ死んかぎい努力していく。
(鹿児島市のみなと大通り公園で)
伊藤祐一郎候補(72)
4年前、私の至らなさから敗れた。皆さんの厚情に感謝しつつ、心からおわびしたい。
県政を立て直すつもりで立候補の意思を固めたが、状況は変わった。新型コロナにより今まで築き上げてきた社会の仕組みが壊れた。人の移動が制限され、交通機関、観光産業は機能しなくなった。会食もできず、鹿児島が誇るべき第1次産業はずたずたになった。
立候補に当たり、県内を隅々まで回った。鹿児島の風土、生活様式は多様だと改めて感じた。ここで暮らす人たちをどうやって守るのか。過去に事例がなく、新しいやり方を考えなくてはならない。
今は平時ではなく、危機管理の時。経験と実行力が必要で、他の候補者より優れている点だと思っている。再生に向け、金に糸目を付けず資金手当てする。1000億円単位のお金をかけ、ようやく鹿児島の経済が上向き、底固めができる。
第1次産業、観光業を基盤とし、アジアの国々と戦える県土を目指し、生活関連産業の振興を図る。県政の方向性は決まっている。力を合わせ21世紀の鹿児島をつくりたい。
(鹿児島市の中央公園で)
塩田 康一候補(54)
やっとスタート地点に立てた。ここに至るまで「一本化しないと勝てない」「若いからもう1期待て」といろんなことを言われた。
私は4年後に向けポストが欲しいなどとは全く考えていない。4年前の知事選で、前の人では駄目だからと、県民は現職を選んだ。ただ、現県政も期待通りではないとの声が大きく、刷新しないといけない。だから職を投げ打ち、退路を断って帰ってきた。県民は誰に県政を託したいのか。前の人でも、今の人でもないと思うから、ここに今、私は立っている。
コロナ対策は経験がないとできないというが、私にも30年の行政実績がある。中身は中小企業対策であり経済復興だ。それができるのは、経済産業省で働いてきた私だけだ。
一本化が必要なのか、現職が強いのか、やってみなければ分からない。コロナの終息まで数年かかる。たった1期だけやらせてほしいという人に任せるわけにはいかない。10年先まで見据えた県政運営ができる若い候補に託してほしい。17日間の戦いで、皆さんとともに新しい鹿児島を勝ち取りたい。
(鹿児島市下荒田1丁目の甲突川右岸緑地で)
有川 博幸候補(61)
新型コロナを受け、今日の出陣式は文書の案内は出さなかった。こんなにたくさん来てもらえるとは思わなかった。「俺は晴れ男」と話していたらその通りになった。最高の天からのプレゼントだ。
高齢者支援、身障者支援、子育て支援を中心に社会保障を充実させて、県民が安心安全を担保できる環境を整える。明日が楽しいと思える県政を推進していきたい。
喜怒哀楽を皆さんとともに寄り添って感じてきた。人の喜びに一生懸命共感できる人間こそ、つながっていける。人は人を支え、人は人を理解するということが一番大切だと思う。県民159万人の声をしっかり聞いて反映させ、「鹿児島はよかど」「鹿児島に住まんか」と胸を張って言える環境をしっかりとつくる。
今日も苦しんでいる人がいる。困っているなら、困っていると言ってほしい。それをみんなで聞いて、助けていこう。命は尊い。命を大切にする県政をしっかりと整えたい。
新しい鹿児島、日本一の鹿児島をつくろう。それは目の前に来ている。信頼してほしい。
(鹿児島市の松原神社で)
[一覧]