[候補者インタビュー]塩田 康一氏(54)
誠実、着実 聞き上手
(2020-06-29)
前知事・伊藤祐一郎氏との一本化が取りざたされ、断念を促す声にも決意は揺るがなかった。「今の鹿児島を変えたい一心。10年先まで見据えた県政運営ができるのは私だけだ」。穏やかで「おとなしい」との人物評を打ち破り、出陣式のあいさつは周囲が驚くほどの気迫に満ちていた。
鹿児島市出身。ラ・サール中高、東京大学卒業後、1988年に旧通商産業省(現経済産業省)入り。内閣府地方創生推進室などで地域活性化に長く携わり、イタリアの日本大使館にも3年駐在した。
「鹿児島に戻り役に立ちたい」との思いは以前からあった。現県政への懸念や不満を耳にするようになり、県内経済界や県人会関係者からも背中を押され、立候補を決意。九州経済産業局長を務めていた昨年12月、退職して退路を断った。
入省して数年後、東京一極集中の是正を目指し、地方に工場や本社機能を分散させる政策を検討したが、思うようにいかなかった。政策は机上の空論でなく、現場の実情を踏まえて多くの意見を聞き、情勢の変化に適応できる柔軟さが大切だと身に染みた。知事になっても、その姿勢を貫くつもりだ。
小中高は剣道に励んだ。「郷土愛は誰にも負けない」と焼酎を愛飲し、東京時代は年間250日ほど県人会活動に参加。趣味はドライブで、イタリア駐在時はスイスやドイツまで走った。尊敬する人物は西郷隆盛。「人の意見を聞き、行動する」を信条とする。千葉から応援に駆け付けた妻と選挙戦に臨む。
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