桜島を望む広々としたかごゆいテラス=鹿児島県庁
鹿児島県庁18階に4月1日開設されるコワーキングスペース「かごゆいテラス」が30日、関係者に披露された。地域商社、建設業、教育、IT、写真家など26法人・個人が会員登録。異業種交流で新産業創出を目指すとあって、テープカットではなく、塩田康一知事らが大島紬のリボンを結んで「つながる場所」になるよう期待を込めた。
レストラン跡を改修した会員限定のワークラウンジ「窓」(南側、230平方メートル)、鹿児島食材の発信基地として試食販売などができる「結」(東側、150平方メートル)、先輩起業家らの寄贈本が並ぶ「耕」(北側、160平方メートル)の三つに分かれる。
「窓」ではコーディネーターが常駐し、会員同士の仲介や相談支援に対応する。空間を仕切らず、オープンな対話ができる設計になっており、県内外の類似施設とも連携する。
県産スギ材をふんだんに使ったのも特徴。「結」の床に敷かれ、五角形の打ち合わせブース「ブレストボックス」は東京五輪・パラリンピック選手村の建材に使われた直交集成板(CLT)が再利用されている。
運営事業者のNPO法人「薩摩リーダーシップフォーラムSELF」の古川理沙代表理事は「地方の未来を考える場にしたい」、県商工労働水産部の平林孝之部長は「役所内のコワーキングスペースは珍しいが、県庁には多くの社会課題が集まる。官民で一緒に解決する場になれば」と話した。