玄関先に飾られる「亀石」=屋久島町の宮之浦集落
カメの甲羅のような模様で卵形の石が、屋久島町の宮之浦集落の玄関先や庭に飾られている。地元で「亀石」と呼ばれ、縁起物としてあがめられる。屋久島中央部の奥岳から宮之浦川を伝い、港近くに流れ着いた。自然と共存する島の暮らしを象徴する一風景だ。
「亀甲石(きっこうせき)」が学名。30~60センチほどで1メートル超のものもある。花こう岩の表面に亀甲状の割れ目が入っている。風化により割れ目ができたと考えられるという。
集落の歴史や文化、暮らしを案内する町あるきグループ「ぶらぶら宮之浦」の長井三郎さん(71)は「家に飾るいわれは定かではないが、昔の人は競って探し、担いで運んだものだ」と話した。