人命救助で表彰された稲留壱心さん(中央)と当日の救急隊員ら=日置市役所駐車場
日置市消防本部は道路に倒れていた男性に心臓マッサージをするなど人命救助に貢献したとして、土橋中学校1年の稲留壱心さんを表彰した。稲留さんは救助した前日に、学校で日置消防署の救命訓練講習を受けたばかりだった。
同署によると、稲留さんは7月10日、母親が運転する車で部活に向かう途中、自転車でツーリング中の男性が市道に倒れているのを見つけた。意識がなかったため119番通報し、男性の知人と心臓マッサージを始めた。
稲留さんは前日の講習で救命方法を実践しており、救急隊の到着まで交代でマッサージを続けた。その間、小学生の弟2人も交通整理をするなどして現場の安全を守ったという。
倒れていたのは鹿児島市の40代男性で、救急隊が使った自動体外式除細動器(AED)で自発呼吸を再開。鹿児島市の米盛病院のドクターカーに引き継がれ、入院後に回復した。
日置市役所で9日あった表彰式で福山昌己消防長(58)から賞状を受け取った稲留さんは、「緊張したが講習が役立った。男性が元気になってよかった」と話した。