馬毛島の学校跡地 西之表市が売却検討 基地計画反対派は落胆「切り札失う」「裏切りだ」

2022/09/08 11:31
校舎などが残る馬毛島小中学校の跡地=2018年7月、西之表市馬毛島(本社小型無人機で撮影)
校舎などが残る馬毛島小中学校の跡地=2018年7月、西之表市馬毛島(本社小型無人機で撮影)
 米軍機訓練移転と自衛隊基地整備が計画される鹿児島県西之表市馬毛島の小中学校跡地について、八板俊輔市長は7日午前の市議会一般質問でも、防衛省の購入意向に応えるように「売却を検討している」と答弁した。計画に反対する議員や市民は「国に抵抗する切り札を失ってしまう」と落胆の色を隠せなかった。

 八板市長は6日の一般質問初日に「売却するかどうか検討を始めた」と述べたばかり。宇野裕未議員は「市長の態度が急展開するほど国の圧力が大きいのか。賛否を明言しない中、切り札をこんなに早く手放すとは」と振り返った。

 「学校跡地を渡さないことが計画に同意しない証しだったのに」。市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長は力なく語る。同団体は「計画不同意を継続する」との政策協定を基に、昨年の市長選で八板市長を支援した経緯がある。「裏切りだ。売却しないよう直接申し入れる」

 一方、賛成派市議団の団長を務める下川和博議員は「現実的に基地を受け入れざるを得ない状況になり、踏み込むしかなかったのだろう。賛否はいまだにはっきりしないが、前向き姿勢と捉えたい」と話した。

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