鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に伴う工事作業員40人を乗せた小型船「馬毛島3号」(19トン)が同市の住吉漁港への着岸に失敗して漁船などに衝突した事故で、種子島海上保安署は6日、原因調査や事情聴取を行った。小型船の操縦ミスや故障が原因の可能性があり、業務上過失往来危険の疑いで捜査する。
同保安署は、小型船の前後進を制御するレバーに故障があることを確認した。男性船長(59)は出港時に前後進の切り替えの不具合を認識していたという。
同保安署によると、船長が入港作業を試みたがうまくいかず、操縦経験の長い男性船員(61)と交代。着岸を行う際、何らかの原因で後方への推力を得られず岸壁に衝突、その後、入港のやり直し時に風下に係留された漁船にも衝突した。
小型船は同市で海運業などを手掛ける「大洋」が所有、運航。事故は5日午後6時ごろ発生した。漁船は無人で、小型船乗組員ら計46人にけがはなかった。