〈詳報〉海自鹿屋基地 米無人機「MQ9」が滑走路逸脱 基地内オーバーラン「過去10年なし」 市長「安心・安全を脅かし遺憾」

2023/08/24 07:33
〈資料写真〉米軍の無人偵察機「MQ9」=2022年11月、鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
〈資料写真〉米軍の無人偵察機「MQ9」=2022年11月、鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
 22日午前11時ごろ、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)で、米軍無人偵察機「MQ9」が着陸時に滑走路を外れてオーバーランし、地上設備に接触した。状況確認のため午後2時15分ごろまで滑走路を閉鎖した。けが人や基地周辺の被害は確認されていない。九州防衛局が23日明らかにした。

 防衛省は逸脱した距離や損傷の程度を米側に確認中。安全対策の徹底や原因究明、再発防止策の迅速な情報提供を求めた。自衛隊機では同省が事故調査委員会を立ち上げるが、米軍機のため日米のガイドラインに基づき原則として米側が独自に調べるという。

 中西茂市長は「事故の発生は市民の安心・安全を脅かすもので、極めて遺憾」とのコメントを出した。防衛省によると、MQ9の飛行再開は23日夕まで目視調査で確認されていない。

 県や市には22日午前11時半ごろ、九州防衛局現地連絡所からMQ9が滑走路を外れ、草むらで煙を上げていると電話で連絡があった。県や市は同局が対応するとして公表せず、同局が報道各社の問い合わせに答える形で公表した。

 海上幕僚監部によると、過去10年間に鹿屋基地でオーバーランはない。滑走路の一時的な閉鎖は、物品落下や草むらのぼやなどでも行われる。

 MQ9は海洋進出を強める中国軍を警戒、監視するとして昨年11月から1年間、8機が鹿屋基地に展開している。全長約11メートル、主翼幅約20メートル。離着陸や整備は鹿屋基地の運用部隊飛行士が担当し、離陸後は米国内の作戦統制部隊が遠隔操縦する。

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