釣り仲間が釣った6キロのチャイロマルハタを持って気合が入る=11月4日午前、桜島沖
〈あゆLOVEフィッシング―上園あゆみ〉
12月に入り一気に冬らしくなってきたなぁ~と思っている間に、あれよあれよと1週間が経過しました。この時期になると釣り人たちは「今年の年末年始はどんな魚で皆を驚かせようか」と予定を立て始めます。
年末の大掃除や家族行事はさておいて、まずは一旗揚げるための準備と、1年の集大成を大成功で納めるための情報集めに奔走するのです。特に家族や親戚などが集まる食事会で釣った魚が食卓に上がる日には、「私が釣った魚だぞ」もしくは「うちの夫が釣ってきたんです」の合図を皮切りに自慢話に花が咲きます。釣りの話を聞いてもらえるのはうれしくて、鼻はどこまでもどこまでも高く…。
ただ万が一釣れないなんてことがあった時には、「何にも手伝わず釣りにばっかり」「どうせ釣れないのに」と、家族からの心ない言葉や愚痴話にさらされることになります。せっかくの年末なのに肩身の狭い惨めな思いをする羽目に。つまり、何が何でも釣り上げなくてはいけません。
ちなみに私も毎年そのプレッシャーにさらされる1人です。でも、この緊張感が心地良く、年末らしさを感じる一つのきっかけになっています。今年は何を釣ろう。そんな時「チャイロマルハタの調子が良い」という情報を耳にしました。高級鍋の商材として、「クエ」に並ぶおいしさを持つ「アラ」系の魚です。鹿児島湾をはじめ、県内全域の磯や堤防周辺に居着いている魚で、1メートルを超える大物も上がっています。これが釣れた日には、1年間は話題に事欠かない! ただ、私はこの魚をまだ釣ったことがありません。
先日、同じ釣り場の仲間が目の前で6キロ、16キロ、4キロと3匹も釣り上げて度肝を抜かれました。餌は何と生きたアオリイカ。これは準備もなかなか大変そうだぞ。よし、今年はこれを釣って1年を締めよう。そう心に決めて準備を始めたところです。みなさん。今年も準備に余念のない、釣り人たちに温かいエールを送ってくださいね!