終演後にクレイグ役の鈴木翔吾さん(右)、ハーマイオニー役の笹本玲奈さんと
■「俳優・迫田孝也(鹿児島市出身)のオモ語り」=南日本新聞2024年5月12日付
1年前のゴールデンウイーク(GW)は久しぶりのキャンプを楽しみましたが、今年のGWはそうはいきません! 舞台「ハリーポッターと呪いの子」がロングラン公演中だからです。
約1年前に稽古が始まり、8月26日に公演デビュー。そこから8カ月が過ぎ、ようやく50公演目。長い間演じてきたなあと思ってるんですが実はこの私の公演数、今一緒にやっているキャストの中では断トツに少ないんです。舞台「オデッサ」の稽古と本番期間に抜けていたため、同時期にデビューした人たちはすでに私の3倍ほどのステージをこなし、さらに最初からこの舞台を支えているメンバーに至っては、500から600ステージくらい経験してるっていうんだからびっくりですよ。
しかもけがや体調不良、諸事情により公演に参加できなくなった人が出た場合に、その代わりを務められるよう何役も覚えて準備してるんですよ! セリフだけじゃありません、舞台裏での動きも場面転換の仕方も役によって全部違うんですから。モチベーションの維持だってそう! 人間って絶対“慣れ”や“飽き”がくるじゃないですか。もちろん感じてはいるんでしょうけど、公演ごとの微妙な変化を察知し、それを生かし発展させる。その日の観客が楽しんで過ごせるよう誠心誠意その人物を生きる、それがどれだけすごいことなのかを皆さんに知ってもらいたいです。
ハリーでもハーマイオニーでもロンでもない、そういうキャストたちがこのロングラン公演を支えているんです。心の底から尊敬しています。私自身が忘れかけていた気持ちを改めて思い出させてもらっています。感謝しても足りません。だから私も責任を持って担った役割を果たせるよう、残り1カ月余り、6月23日の千穐楽〔せんしゅうらく〕までロン・ウィーズリーをしっかり演じていきます!
そして4月25日からはネットフリックスにて映画「シティーハンター」の配信が始まりました。鈴木亮平くんと久しぶりの共演。撮影前から彼のシティーハンター愛は聞いてましたが、この作品にはそれがあふれんばかりに詰まっています。何より西郷どんの時の亮平くんのイメージが強い方々は驚くこと間違いなしです! でも一ついいですか? 彼は才能と努力を持ち合わせた“稀有〔けう〕”な俳優なんですからね。ぜひ楽しんでご覧ください。(俳優)