武蔵塗料グループは「色と機能で世界を豊かに」をパーパスに掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。
サステナビリティに積極的に取り組む塗料メーカーとして、自動車や家電、電子機器など多様な産業分野に高機能塗料を提供するとともに、研究開発を通じて新しい価値を生み出してきました。
私たちの挑戦の成果のひとつが、微細藻類由来原料を活用した革新的なバイオペイント「PAINTOMO」です。
武蔵塗料グループは、世界初となる微細藻類由来樹脂を用いた環境配慮型塗料
「PAINTOMO」を開発しました。
本開発は、ちとせグループが主導する「MATSURIイニシアチブ(注)」への参画を契機に、再生可能資源としての藻類に着目し、度重なる検討と試験を経て実現したものです。
2025年大阪・関西万博「日本館」では、MATSURIの一員として「PAINTOMO」を藻類由来塗料として初めて公開。持続可能な未来に向けた新しい選択肢を、世界に向けて発信しました。
(注)「MATSURIとは?
バイオエコノミーを軸に、分野や業種を超えた共創を推進する産業横断型のイニシアチブです。持続可能な社会と新たな産業の創出を目指し、多様な企業やプレイヤーが集結しています。
微細藻類は植物と同様に光合成によってCO₂を吸収し、温室効果ガス削減への貢献が期待されています。さらに、農業利用が難しい砂漠や荒地でも培養可能で、限られた水資源でも成長できる点が特長です。
また、食糧資源と競合しない非可食素材であり、成長速度は陸上植物を大きく上回ります。加えて、単位面積あたりのバイオマス生産効率も圧倒的に高く、短期間で大量の資源を生み出すことができます。
こうした特性から、微細藻類は次世代の循環型資源として世界的に注目を集めています。
微細藻類由来塗料の開発を可能にした背景には、植物由来バイオペイントでの長年の挑戦がありました。武蔵塗料グループは、10年以上前から植物由来塗料の開発に取り組んでいます。
その出発点となったのは、欧州の携帯電話メーカーから寄せられた「植物由来の原料を使用した塗料を開発してほしい」という要望でした。
当時、工業用塗料に適した植物由来原料はほとんど存在せず、原料同士の相性にも大きな制約があるなど、開発環境は極めて厳しいものでした。
それでも配合設計や塗膜特性の調整、原料選定に幾度も挑み、試行錯誤を重ねた結果、
武蔵塗料グループ独自の技術基盤を確立。バイオ系環境配慮型塗料の先駆者として、業界に確かな存在感を示しました。
現在では、汎用塗料に加え、高光沢(ピアノブラック)、ソフトフィール、難密着素材用プライマー、UV硬化型塗料など、多様な製品群を展開しています。
また、自動車内装や家電・電子機器といった高品質が求められる用途においても、従来の石油由来塗料と同等の品質を実現しています。乾燥塗膜中のバイオ比率は高いもので約40%、一部製品では約70%に達しており、業界内でも高水準です。
これらの成果により、高機能と環境配慮を両立する実用的なバイオペイントとして業界内で高い評価を得ています。
長年の挑戦と培ってきた技術基盤を活かし、パートナー企業との共創体制と連携して、
「PAINTOMO」の開発を成し遂げました。
「PAINTOMO」の開発は、持続可能なものづくりに向けた大きな第一歩です。
武蔵塗料グループは、植物や微細藻類といった再生可能資源を活用し、環境への配慮と高い機能性を兼ね備えた塗料の開発に継続して取り組んでいます。
今後は、植物由来100%の製品化や藻類由来塗料の性能向上にも挑戦し、パートナーとの共創を通じてバイオペイントの可能性をさらに広げ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
※本取り組みについては、ちとせグループさまのストーリーにも掲載いただいております。武蔵塗料グループの開発者・デザイナーへのインタビュー記事は以下からご覧いただけます。
商号:武蔵塗料ホールディングス株式会社
所在地:東京都豊島区南池袋 2-30-16 グリックビル(本社)
代表者:代表取締役社長 福井裕美子
設立:1958年(昭和33年)
事業内容:自動車、家電、電子機器など多様な産業分野に向けた高機能塗料の開発・製造・販売
■ホームページ
■2025年度版CSR報告書
https://musashipaint.com/img/MusashiPaintReport_2025_JP.pdf
https://www.instagram.com/musashi_paint_official/
https://www.facebook.com/musashipaintNippon/
■note
https://note.com/note_634paint