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第5回「採用あるある川柳2025」発表会レポート ~約2,000句から見えた、AI時代の採用で「人」がすべきことは?~



採用担当者の見えない苦労や喜びを詠む「採用あるある川柳2025」の結果を発表しました!


採用管理システム「sonar ATS」を提供するThinkingsが主催する、「採用あるある川柳」面接、社内調整、応募者対応、進捗管理など、採用に関わるリアルな体験や想いが詰まった川柳は、2021年の初回から第5回までに、累計約5,500句が集まりました!


本記事では、結果発表リリースではお伝えしきれなかった今年の応募傾向や、受賞句の解説を、受賞作品発表イベントでの、審査員長 永島氏のコメントとともにお届けします。



受賞作品発表会、動画はこちら 


●応募数は過去最多!「採用あるある川柳2025」

過去最多「1,959句」の応募句から、厳正な審査を経て、大賞(1点)、審査員賞(4点)、佳作(10点)の15点を選出。今年は以下3名の方に審査員としてご参加いただきました。


▼審査員

トイトイ合同会社代表、Thinkings組織再考ラボ フェロー永島 寛之 氏

人事図書館 館長 吉田 洋介 氏

株式会社fanphare 高橋 麻菜美 氏



毎年恒例、Thinkings社員投票からも、審査員賞1句を選定しています。


●受賞作品紹介

審査員長 永島氏のコメントとともに今年の受賞作品を改めてご紹介します。

■大賞 「選ばれる 法則探しに また迷う」


▼審査員長 永島

数年前までは、一般的な採用スケジュールに合わせて動いていけばよかった。でも今は、採用担当者自らデータを取って、自社にとって最適なタイミングを探索して、自分たちで採用を進めていかなければならない。その中で「自社に最適な法則」を探し続ける必要があるというのが、今の採用の難しさです。


いろいろ考えてやってみたけどうまくいかなくて、また迷う..その繰り返し。だからこそ「みんなで迷い続けましょう」と言いたいですね。迷うことは悪いことじゃない。試行錯誤こそが、採用という仕事だと改めて感じさせる一句です。

■審査員賞 「寝坊です 正直すぎて ちょっと好き」(人事図書館 館長 吉田氏 選)


▼審査員長 永島

「データが大事」ではあるものの、応募者と採用する側が対等になった今、人間性を知るきっかけとなる「対話」が大切です。昔だったら遅刻してきたらアウトですが、今は、「何があったの?」「寝坊です」「なんか正直でちょっといいやつだな」となったりする。こうしたワンシーンからも、現場のリアルが見えてきます。

■審査員賞 「辞退者に おめでとうって 言う強さ」(株式会社fanphare執行役員 高橋氏 選)


▼審査員長 永島

「来てくれた人を応援する」という気持ちがないと、いい採用はできません。「ここを受けてよかったな」と感じる体験を通して、自社のファンになってもらうことも大事です。実際に、高い就活体験を提供している企業は、採用に成功しているというデータも出てきています。必ず次年度の採用につながっていきます。

■審査員賞 「AI製 逆質問に 詰まる俺」(審査員長 永島 寛之 氏 選)


▼審査員長 永島

現在は、応募者が採用側に質問する「逆質問」もAIで対策されています。例えば「PER(株価収益率)はこれぐらいなんですけど、2025年にはどうなりますか?」という高度な質問をされると、面接官は「うっ!」となりますよね。「答えに詰まるのはマズイ」と思うかもしれませんが、詰まってもいい。お互いの人間性が滲む瞬間があればこそ、応募者も採用担当も対等に話せる「いい面接」だと思います。

■Thinkings社員投票 「自社サイト よりも見られる 口コミ欄」


▼審査員長 永島

大学生の一番のメディアは「先輩」や「周りの人」の話。「企業は自社サイトや広告に悪いことは書かない」とわかっているので、口コミの影響力が上がっています。自社に関わった一人ひとりが情報の発信元になる昨今、インターンでも説明会でも、よい体験を持ち帰ってもらうことがとても大切です。


このほか、佳作10点が受賞しました。ぜひこちらからご覧ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000247.000055762.html


●1日に数百句を読みこんだ審査員たちの視点とは

オンラインで開催された審査会は議論が大変盛り上がり、その場では大賞が決まらない事態に。”採用の今”を捉えた共感性の高い候補作品が多く、難しい審査となりましたが、意見を交わしながら審査を続け、受賞作品を決定しました。



審査の視点・ポイントとして、以下の4点を踏まえて審査を行いました。



●今年の応募句、3トレンド「辞退」「AI」「価値観の変化」

また、今年の応募句全体のトレンドとしては、大きく以下の3つが見えてきました。



■ 相次ぐ選考辞退、連絡が来ない… ますます進む売り手市場

選考辞退、ドタキャン、内定辞退を嘆く句が特に多く見られました​。「承諾連絡が来ないかそわそわする」「応募者の既読スルーが寂しい」など、連絡を待つ辛さがひしひしと伝わる川柳も多数。応募者に選ばれない苦悩は例年多く詠まれるテーマですが、今年はそのシーンがより鮮明に表現された作品が多く見られました。

■ 採用担当も​AI活用に積極的な姿勢に

これまでもAIをテーマにした句はありましたが、2023年頃まではエントリーシート(ES)に関するものが中心でした。 今年は、応募者のAI活用に対する戸惑いや不安を描く句に加え、採用担当者側がAIをポジティブに活用しようとする句が詠まれるようになりました。AI面接など、​採用現場へのAI導入が進んでいる様子がうかがえます。


■ 応募者の価値観の変化​

「新卒の初任給引き上げ」などが話題となる中、応募者が制度・福利厚生を重視する姿勢や、自分より好待遇になっている現状に採用担当者が戸惑う様子もちらほら。応募者が企業を選ぶ基準も変化しています。


このほか、中途や再雇用などのキャリア採用アルバイトからの採用外国人採用などの川柳も増え、新卒採用だけにとどまらず、様々な方法で採用を強化しようと試みる企業の姿が表現されていました。


●審査員長総括:これからの採用担当者に求められる3つの力

▼審査員長 永島

採用活動は、「誰かを選ぶ行為」ではなく、「企業と人との関係構築」へと変化しています。そうした中でこれからの採用担当者に求められるものは、まず「関係性を築く力」です。


人材のマッチング提案は、あと3~5年でAIが担うようになるでしょう。これから「人」が担うのは「関係性を築く」こと。今の大学生は、フィードバックをもらえたことや、密に連絡を取ってもらえたことなど「関係性が深かった企業」を選ぶ傾向があります。マッチングした人材に対してフィードバックや対話を行い、その方の未来や将来像をともに語れるような、「関係性を築く力」が必要です。



次に、「問いを立てる力」

企業の目的や、今後のビジョンから逆算して「自社の採用はどうすべきか?」を問いながら進めていく。事業が変われば、必要な人材も変わります。1つの正解を求めるのではなく、仮説を立て、検証し、問いを立てることを繰り返して、「今」に適した採用を更新し続けることが大切です。


最後が、「構造や本質を捉える客観的視点と、人間らしさに寄り添う感受性の両立」です。

客観的な分析は、AIやテクノロジーでできる部分です。そして、今回の川柳に表れているような人間らしさに共感する力。そうした感受性が、深い信頼関係をつくるコミュニケーションにつながります。


ただ、応募者へのパーソナライズが進むなかで、一人ひとりに向き合うことは時間的にも精神的にも負荷がかかります。だからこそ、客観的なデータとバランスを取りながら、関係性を築く試みをどれだけ実践できるか。そして、それを両立できる採用体制を整えることが、今後ますます重要になっていきます。


今までの採用担当者には、予定通りにしっかりとフローを進められる人ような「きちんとこなす力」が求められていました。ただ、もうこの形は通用しなくなってきています。これからは、毎年同じ採用をするのではなく、試行錯誤と迷い続ける姿こそが、採用担当者として大切な姿勢になると感じています。



●「背景コメント」から「採用担当者の想い」が伝わりました(事務局より)

今回は、応募フォームに「川柳の背景コメント」を記載する欄を設けました。「応募のハードルを上げてしまうかも…」という不安もあったのですが、過去最多のご応募をいただくことができました。


▼大賞 「選ばれる 法則探しに また迷う」 応募時の背景コメント

「毎年、Z世代の価値観は進化し続けます。去年刺さった言葉?もう響きません。トレンド?気づいたときには終わってます。それでも、選ばれる法則を探して、試して、外して、また探す―― そんな迷子の繰り返しが、人事のリアルで、ちょっとした誇りでもあります。」


常にポジティブな発信を心掛ける採用担当者の"ホンネ"や日々の苦労は、なかなか見えにくいのが現状です。しかし、こうした「背景コメント」から、採用担当者の皆さまが”今”どのようなことに向き合っているか、応募句にどのような想いや考えを込めたか、より深く理解することができました。


Thinkingsは、これまで多くの採用担当者の皆さまとともに「採用の仕事」と向き合ってきました。だからこそ、その魅力や難しさを、もっと世の中に伝えたい――。そんな思いから「採用あるある川柳」は始まりました。Thinkingsはこれからも、採用担当者のリアルな声を受け取りながら、「採用の仕事」の魅力を発信し、採用担当者の皆さまを応援してまいります。


ご応募いただいた皆さま、誠にありがとうございました。


▲左:審査員長 永島氏。右:第1回から「採用あるある川柳」企画に携わるThinkings 石橋。




◆審査員長 永島氏解説!

受賞作品発表・解説イベントの様子はこちらから

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◆合わせてぜひご覧ください◆

▼発表プレスリリース

https://thinkings.co.jp/news/20250730_senryuresult/

▼過去4回の応募作品から見える採用トレンド

https://prtimes.jp/story/detail/pb34V8UMkYB




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