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「こどもの健全な発達と発育」と密接に関わる医療と教育の未来、地域の役割や関わり方

MRT株式会社(以下、MRT)は、公益社団法人日本PTA全国協議会(以下、PTA)に所属する約700万世帯のPTA会員を対象に、PTA支援サービス「COCOPiTA(ココピタ)」※1を開発・運営する株式会社ワンリーリステッド(以下、ワンリーリステッド)および、同サービスと連携するARIA株式会社(以下、ARIA)とともに、「こども健全な発達と教育」をテーマに対談企画を実施しました。



今回の企画では、現代のこどもたちを取り巻く課題や、地域・医療・教育のあり方、補完する事業者などが果たすべき役割について深く学びたいという思いから、日本PTA元会長であり「COCOPiTA」を通じてPTA活動を支援する一般社団法人地域創生応援団(以下、地域創生応援団)理事長の尾上浩一氏(以下、尾上さん)、そして児童精神科医として幅広く活動する小澤いぶき氏(以下、小澤先生)をお招きしました。

MRT代表の小川智也(以下、小川)も交えた三者による対談が行われ、それぞれのバックグラウンドや専門的視点から見た現代のこどもの発達と発育の課題や、医療と教育の未来、地域の役割や関わり方について語っていただきました。


※1「COCOPiTA(ココピタ)」(https://onelinavi.com/pta/)とは、保護者・教職員・地域社会を一つに結ぶ画期的なプラットフォームです。MRTは自社が擁する医療DXプラットフォームを搭載し、24時間365日体制のオンライン診療・オンライン健康相談サービスを提供しております。

【参照:プレスリリース】

(公社)日本PTA全国協議会 会員約700万世帯を対象とした「COCOPiTA」に MRTが提供するオンライン診療・健康相談サービスを搭載



‐まず皆さまのバックグラウンドについて教えて下さい。


尾上さん:

まず私が以前会長を務めたPTAの組織に関してお話します。

学校教育課程の中で行われる学習指導要領に基づいた「学校教育」が一つの教育であるとすれば、それ以外の組織的に行われる教育の場が、「社会教育」となります。

PTAやこども会、老人会とか婦人会といった主に学校以外で組織的に行われるグループ、団体を「社会教育関係団体」といいます。

「こどもがいるから、保護者として何かを学ぶ」というスタンスにとどまらず、「どうすればこどもたちが地域でよりよく学び、成長できるか」という視点を軸に活動してきた組織です。地域に根ざし、こどもたちの育ちを支えることを目的に、保護者や地域の大人が協力しながら関わること、それがPTA本来のあり方だと考えています。


PTA会長任期満了後、保護者に限らず、一般企業でもPTA活動や学校教育の支援できる環境を提供していきたいと考え、PTAと企業を繋げる活動を進めた組織が地域創生応援団であり、現在は全国に展開しています。

       


尾上 浩一(おのえ こういち)

一般社団法人 地域創生応援団 理事長

公益社団法人日本PTA全国協議会元会長であり、文部科学省中央教育審議会 第7・8期委員、消費者庁 少子教育推進会議 第2・3期委員、兵庫教育大学 経営協議会 副議長・学長選考会議 議長、特定非営利活動法人 金融知力普及協会理事も担う。

小澤先生:

私は、こどもの心の専門家である児童精神科医、そして精神科専門医という職能があり、自分の立ち上げた団体を通して、こどものメンタルヘルスとウェルビーイングに日本と中東で関わっています。また、こどもの権利が大切にされるウェルビーイングな環境づくりに、日常から政策策定まで様々なレイヤーで関わっています。



小澤 いぶき(おざわ いぶき)

一般社団法人Everybeing 共同代表

児童精神科医・精神科専門医・精神保健指定医 臨床研修医・精神科臨床医としての経験後、東京医師アカデミーにて児童精神科の研修を積み、東京都立小児総合医療センター、児童相談所、精神保健福祉センター等にてこどもの心のケアに携わる。その後、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を経て、NPO法人PIECESを創業。


小川:

私は、元々救急科専門医として医師をしておりました。今はMRTの代表取締役として、医師である経験を活かし、安全性を担保しながら、医師の人材紹介やオンライン診療などを通して、医療現場の課題解決や誰もが平等に医療にアクセスできる環境の構築に取り組んでいます。



小川 智也(おがわ ともなり)

MRT株式会社 代表取締役

救急科専門医・日本抗加齢医学会専門医・MBA

大阪府立千里救命救急センター、大阪医療センター救命救急センターにて災害医療・救急医療に従事。その後、複数のクリニック経営に参画したのちMRT株式会社に入社。現在、同社ではITを活用した医療情報プラットフォーム事業を展開。



〈こどもの健全な発達や発育の課題について〉


‐こどもの健全な発育に対し、みなさまそれぞれの視点から課題と感じられる点はありますか?


尾上さん:

そうですね、昨今、こどもたちがタブレットPCなどを見る機会が増えてきています。

小学生、中学生どころか1~2歳児からタブレットを見始めているということで、「健康被害」については心配されています。こういった影響はすぐには表れず、大人になってから出てくるとも言われているので、今の段階で何かしらの対策を講じる必要があると考えています。


小澤先生:

こどもの養育は家庭や代替養育、児童養護施設、保育は保育園、学びは学校といったように、それぞれの役割が分断され、「閉じられ」やすい傾向があります。一人の子どもが育つのに100人の村が必要だという諺があるように、こどもの育ちには一人だけがとか誰かだけが何かを担うのではない地域の土壌が必要です。


地域という大事な土壌の中で遊び、学び育っていく土台があった上で、養育者や先生が“こどものパートナーのひとり”として関わっていくことが大切だと感じています。


小川:

医療の視点からお話していくと、国民皆保険制度で全国の人々が公平に医療を受けられる環境があり、その点は教育も同じであると思っています。しかしながら地域によっては医師不足やそれぞれに家庭環境の問題もあり、公平性が医療でも担保できていないと実感します。そういった地域格差をどう埋めていくかが課題だと考えています。



‐「インターネット環境へのアクセス増加による健康被害」「こどもの養育に関わる各者の分断、閉じられた環境」「公平であるはずの医療や教育の地域格差をはじめとする格差」といったことですね。

尾上さんが冒頭おっしゃっていた「社会教育」や「社会教育団体」のありかたは、昔と比べると変わってきているということでしょうか?


尾上さん:

そう思いますね。昭和24年に文部省が組織化された当初の目的は、教育環境の整備でした。

学校給食がなく、教科書も有償、保険もなく、教育環境を整えるために、保護者からの国に対する要望活動が中心でした。


やがて教育制度が整い始めると、良い教育環境をつくるには大人自身がしっかり学ばなければいけないということで、国も予算措置を通じて、研修会や全国大会などを盛んにやっていました。ただ、平成19年に国の支援が終了し、「自ら活動していってくださいね」というフェーズに入りました。


そこからは自分の生活に直結すること以外は関心が向きにくくなり、それだけ社会や生活が逼迫しているということだと思います。


小澤先生:

逼迫し、経済格差がこどもの育つ環境にとても影響しやすくなっているとも感じます。例えば、子育てのサービスにお金が必要なことも少なくありません。様々な体験をするにも、移動するにも、様々なことにお金が必要で、それが難しい状況の中、こどもたちの暮らしや選択肢が狭くなることがあります。こどもを育てる物理的な状況を家庭だけが担わなければいけず、適切な制度や仕組み、サポートがないとその状況はより強くなるかと思います。一方で、基本的にお金を払えば、サービスという仕組みの中で、完結できる便利さが地域の土壌を見えづらくしているかもしれません。


今お話を伺いながら、どうしたら「自分たちも地域の作り手である」という意識を改めて持てるようになるのかと考えていました。


こどもが思春期ぐらいになると、保護者との関係に少し距離ができます。親と話す機会が減っていった時、家庭という閉じられた空間以外の関わりや本人の選択が地域に少ない場合もあります。

そんな時に、こどもたちが繋がる場所となるのが「インターネット」です。肯定的に繋がれることもある一方で、偏ったり、扇動的な情報に触れることによる辛い影響が出ることもあります。インターネットでどんな情報を得て、どう活用するのか、そこに難しさがあると感じています。


リアルな繋がりが少なければ少ないほど、その一つの繋がりの中で得られる情報の影響が強くなることがあるのが現状です。



‐良い教育環境ができてきている一方で、社会や生活の逼迫による地域社会とのつながりの希薄化、代替するように広がるネット社会。こうした背景を前提として先にあげていただいた課題への対応策として、気を配るべきことはどんなことが考えられますか?


小澤先生:

こどもの健やかな成長を考える際に、こども自身の心身のコンディションや状況もありますが、それ以上に周りの環境による影響が大きく作用すると感じています。


例えば、大人同士の関係性や、大人のメンタルヘルス、こどもの大人との関わり、こどもが通う保育園や学校の文化、友達同士の関わり、そしてこどもが暮らしている地域の文化や自然環境といった環境です。


こどもたちがそういった環境の中で、

「自分はここに居て大丈夫な存在なんだ」

「自分の声がしっかり聴かれ、届いて、主体的に何かに関わっている」と感じられたり、

「今日も明日もその先も大丈夫、この地域にいて大丈夫そうだな」と感じられること、

その実感の積み重ねが、こどもの心にとって、とても大事なエッセンスになるんだと感じています。


一方で、ユニセフの調査でもまた、こどもたちに対してアンケートを取ると、自分に影響を与える要因として「ネット環境」があがります。ですから、デジタル環境にも目を向けなければいけません。

「インターネット」は、現代では切っても切り離せないものになっており、こどもにとってウェルビーイングなあり方を考えていくことがとても大切です。それと同時にこどもたちがスマートフォンやインターネットに触れる時間が増え、尾上さんの課題と挙げていただいた健康被害や偏ったり扇動的であったり、差別的であったりと不適切な情報にアクセスするリスクも高まっています。


一方で、インターネットはこどもたちにとって重要な「つながりの場」でもあるからこそ、いかに安全で肯定的な関わりのある環境を大人自身も自分たちの責任として考えていくか、それをこどもたちの声も大切に一緒につくっていけるかは課題です。

私たち大人がデジタル環境を整えていく必要があります。プラットフォームを作っていく時に「どうしたらこどもの権利にねざし、こどもの力や主体性を損なわずに、安全な関わりを実現できるか」ということに焦点を当てる必要があると考えています。


小川:

そうですね。MRTではオンライン診療やオンライン健康相談を通じて全国的に小児科の先生や、小児精神科の先生を紹介して医療を提供する環境を整える事業を担っています。


ですが、小児科の先生自体はまだまだ少ないですし、当然、小児精神科医の先生はもっと少ないです。お子様の心の病などの相談に乗れる先生がお住まいの地域にいるとは限らない状況です。そういった先生方にアクセスできるという意味で、「オンライン」は非常に有効な在り方であると改めて考えました。


尾上さん:

医療に関して言うとセカンドオピニオンでかかりつけ医以外の専門医の意見を聞くといったことも推奨されていますが、普段働いていらっしゃる親御さんがその時間を捻出するというのは、非常に難しいと思います。


その点、オンライン診療というのはこどもから大人まで幅広い世代にとってすごくありがたいですし、うまく展開されていけばいいと思っております。ぜひとも皆さんの力をお借りしながら、進めていきたいと考えていました!



〈こどもの健全な発達と教育の課題解決に向けて〉


‐ありがとうございます。課題の一つでもある「インターネット環境へのアクセス増加」は一方で課題解決の手法でもあり、その環境を子どもたちにとって安心を感じられるつながりの場として活用していくことが重要であることが実感できます。

サービスを提供する事業者として、どういった関わり方が貢献につながるのでしょうか。


小澤先生:

実は、こども時代の体験が、その後のウェルビーイングに影響することがわかっています。

例えば、虐待やいじめ、家庭内の不和などの体験が累積していき、そこにクッションとなるような環境がないことで、成人期の慢性疾患や、依存症などのリスクが高まることが分かってきています。


それと同時に、地域の中で自分が主体的に楽しく参加できる場があったり、養育者以外の大人が真剣に向き合ってくれたとこどもが感じたり、自分の感情を受け止められたと感じたり、学校が居場所のような場所でもあったり、支えてくれる友達がいると感じたり、守ってくれる環境があること、何かあった時に相談できる人がいたり、文化芸術やスポーツに関わったりといった関わり自体が、逆境体験の影響を和らげることもわかってきています。


尾上さん:

最近では、PTAの未加入が増えており、同じことが自治会でも起きています。

「家庭のことは家庭で完結できる」と思ってしまう方が多い印象です。


小澤先生がおっしゃっていたように、大切にしなければならない地域との関わり、色々な人と関わること自体を自ら遮断してしまう家庭が多いです。

これは首都圏に限らず起きているので、不登校の原因もおそらく学校というよりも、家庭環境の影響が大きいのではないかと考えています。


地域でのサポート体制を整えたくても、実際には難しい場面も多いので、そうしたときにオンライン健康相談などの仕組みが、家庭と社会をつなぐ横の繋がりとして機能してくれるのではないかとお話をお伺いして思いました。



‐オンラインの駆け込み寺といったところでしょうか。先の課題にあがりました「こどもの養育に関わる各者の分断、閉じられた環境」「公平であるはずの医療や教育の地域格差をはじめとする格差」をオンラインによってつながりの場にしていくということですね。

こどもを取り巻く環境の重要な役割として、保護者をはじめとする大人に対してはどのように意識していけばいいでしょうか。


小澤先生:

肯定的な体験をこどもの暮らす様々な環境に増やしていけるといいのではないかと思います。

「リレーショナルヘルス」の観点からすると、肯定的な関わりが地域の中で改めて再構築されるといいなと感じています。

そういった意味でも、保護者の方が一人で頑張りすぎたり、不安を一人で感じ続けなくて良いようなデジタル環境も含む環境が周りにあったりすると良いのかもしれません。


小川:

日本では、女性医師が出産や育児で、なかなか医療現場に復帰できないという現状があります。ただ、 離れた場所でも、オンラインであれば相談や診療に応じられる先生が多くいらっしゃいます。そうした先生方の活躍の場は、オンラインを通じてさらに広がっていくのではないかと実感しています。


尾上さん:

課題解決のためには、やはりこどもたちだけでなく私たち大人が社会教育の中で、どう勉強していくかを考えることが必要です。


いわば一人の人間としてどう成長していくか、親として こどもをしっかり教育できる環境を保つことができるかということがすごく大事なんです。実は、私が今所属している地域創生応援団を立ち上げたのも、まさにその想いからで、PTAのOBJECTになった段階でバックアップしたいと考えたからでした。


小川:

まさに、今回の取組を通じて地域創生応援団の皆さまのご協力のもと、保護者の方に広くサービスを提供いただくことによって保護者の健康、またお子様の健康対策に、広げていけるといいなと思います。



〈これからの医療と教育の未来について〉


‐こどもの発育健全な発育を実現するために、保護者のウェルビーイングを意識していくことが大切なんですね。そういった意味は、産休や育休を経た医師とオンラインでつながっていくことで、双方に共感や肯定感が生まれる可能性も考えられます。

より多くのこどもたち、保護者のみなさまとがつながりあっていく点において大切なことは何だと思いますか?


尾上さん:

まずは保護者自身が楽しむことが大切だと思っています。

「親が楽しまないとこどもも楽しめない」という言葉もあるように、私たちもその想いを大切にしながら、様々な活動をしています。


保護者は保護者なりに「地域をよくしよう」「学校をよくしよう」といった活動に取り組んでいますが、こどもはそんな大人たちの姿を見て「何をしにお父さんお母さん集まっているんだろう」と自然と興味を持つようになります。

こどもたちが少しでも関心を持てるように、本当に楽しくやっている場面を見せることが我々大人の役割だと思っています。


小川:

小澤先生はご自身のお子さんもそうですが、幅広く世界を股にかけて色々なお子さんをみていらっしゃいますよね!


小澤先生:

そうですね、こどもが3歳なので、こどもとの時間をできるだけ作ろうとした結果自分の睡眠が削られてきています(笑)。どう自分の時間を確保するかバランスが難しいですよね。そう考えると、やっぱり企業としての働き方をどうしていくか、そもそも社会保障をどうしていくかなど、あらゆるものが繋がってきます。


だからこそ、しっかりと「システムに働きかける」ということも、大切になってきます。そして今回のPTA様との取り組みがこれからの教育と医療の未来に繋がっていけばいいなと思っています。


小川:

オンライン診療や健康相談の観点から言うと、いい点もありながらも、やはり適切に使われず、間違った認識をされてしまい、利用機会を失ってしまっているケースも少なからずあります。


これからは、医療や健康相談を通してあらゆる世代の方々が安心してサービスを受けられるよう、より丁寧に取り組んでいかなくてはならないと感じています。

そのためにも、今後もお話をお聞かせいただきながら、みなさまのお力添えができるようなサービスを、一緒に作っていけたらと思っています。



〈まとめ〉


今回は、PTA×医療の各ご専門の観点から、こどもの健全な発達と発育について対談いただきました。教育と医療とは異なる分野でありながらも、共通項が多くあり、多角的な連携やオンライン等ツールの適切な活用により、課題解決や発展につながるという気付きを得る貴重な機会となりました。

そして、「共感」や「肯定感」といった要素を大切に、保護者の負担軽減、地域社会全体で子育てを支える仕組み、「社会教育」を補完するプラットフォームを実現していくことがCOCOPiTAプロジェクトの使命であることを再認識しました。

こどもはもちろんのこと、保護者をはじめとする大人の健康やウェルビーイングにも注視し、地域創生応援団、ワンリーリステッド、ARIA、MRTの相互協力により、PTA活動のデジタル化および医療・健康支援サービスの拡充およびさらなる発展を目指してまいります。



【各社について】


■一般社団法人地域創生応援団

https://chiikisosei-oendan.com/

TEL: 03-5829-4483

Email:contact@chiikisosei-oendan.com


■株式会社ワンリーリステッド

https://onelilisted.com/

TEL: 03-4400-9263

Email: info@onelilisted.com


■ARIA株式会社

https://www.ariainc.jp/

TEL: 03-6447-1162

Email: info@ariainc.jp


■MRT株式会社(Door.事務局)

https://medoor.com/webmed/

TEL: 03-6696-1110

Email: info@medoor.com

【広報に関するお問い合わせ】

コーポレート本部:川上

TEL:03-6415-5295

FAX:03-6415-5282

Email:mrt-pr@medrt.com




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