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2025年3月、株式会社ジェーシービー(以下、「JCB」)は、中小企業・個人事業主の方々向けに新たな資金管理・キャッシュフロー改善ポータル「Cashmap(キャッシュマップ)」をリリースしました。
入出金状況の一元管理・可視化から将来シミュレーション、キャッシュフロー改善サービスへの接続までワンストップでサポートします。
今回は、Cashmapの開発背景や機能・今後の展望について、法人ソリューション開発部の大倉さんと森澤さんにお話を伺いました。
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プレスリリースはこちら
森澤:Cashmapは中小企業や個人事業主の方々向けのサービスで、入出金の可視化・一元管理からキャッシュフローの見通し、資金改善アクションまでをワンストップで提供いたします。JCB法人カードをお持ちの方なら無料で利用できるので、まずは気軽に始めてもらいたいです。主な機能は以下の3つです。
1.まとめる:複数の銀行口座やカード情報をまとめて管理。JCB以外のカード連携や請求書の取り込みにも対応。
2.見通す:3カ月先までのキャッシュフロー見通しを自動表示。シミュレーション機能で資金計画も立てやすくなります。
3.改善する:請求書カード払い(※1)への切替提案やオンラインレンディング(※2)など、資金繰り改善のアクションを提示し、簡単に利用できます。今後はファクタリングサービス(※3)など、キャッシュフロー改善サービスを拡充予定です。
※1請求書カード払いの詳細はこちら
※2オンラインレンディング:オンラインで申込~審査~融資までが完結する、スピーディーな資金調達の方法です。簡単な手続きで融資を受けられるため、急な資金ニーズに対応できます。
※3ファクタリングサービス:「入金待ちの請求書(売掛金)」の売却や、未来の売上の資金化によって、早期に運転資金を調達するサービスです。いずれも借入ではないため、担保や保証人を必要としません。
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大倉:法人ソリューション開発部は法人の方々がお客様になるのですが、中小企業の方々から、仕入れから入金までの間に立替が発生し、一時的な資金不足に陥りやすいということをよく伺っていました。そして、結果として黒字でも休廃業に至るケースもあると。
クレジットカードでの支払いにすることで支払い期日を遅らせることができますが、それでも約40日が限界で、資金ギャップの解消には不十分です。
こうした“黒字でも資金が回らず廃業”という課題を、柔軟な資金調達支援やキャッシュフローの見える化などを簡単に利用できるようにして改善できたら、中小企業の方々に喜んでいただけるのではと考えました。
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森澤:Cashmap最大の特徴は、資金の可視化にとどまらず、資金繰り改善まで一貫して支援できる点です。世の中にある多くのサービスは、一部機能に特化していますが、Cashmapは可視化・見通し・改善をワンストップで完結できるのが強みです。
使いやすさにも徹底的にこだわり、直感的に操作できるように工夫しているため、会計ソフトなどに苦手意識のある方でもストレスなく使っていただけるようにしています。
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また、JCB法人カード会員様であれば誰でも利用できますので、2024年にリリースした法人カード「Biz ONE」などを利用いただきながら、うまくCashmapを活用いただきたいと思っています。
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大倉:JCBでは様々な法人カードを提供していますが、その中の一つに中小企業や個人事業主向けの法人カードがあります。近年は『ひとり社長』のような法人格を持たない方も増えており、従来の法人カードでは本人確認書類や、法人口座が用意できないなどのハードルが高いという声がありました。
そこで誕生したのが中小企業・個人事業主向け法人カードの『JCB Biz ONE』です。個人事業主でも使いやすく、ポイント2倍の優遇など実用性と利得性を兼ね備えています。資金調達や経費管理の支援を通じて、安心して事業運営できる環境づくりを支援します。
Biz ONEをわかりやすく紹介する記事はこちら
また最大20倍のポイントを付与する『JCBオリジナルシリーズパートナー』も対象ですので、経費支払いをしながら効率よくポイントを貯めたい方には大きなメリットです。
オリジナルシリーズパートナーについてはこちら
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森澤:Cashmapの開発では、中小企業の方々が本当に必要としている機能を提供することにこだわりました。そのため、構想段階から従業員20名以下の中小企業を中心に和菓子店や時計店など40社以上を訪問し、現場の実務を直接確認したり、様々な要望をヒアリングさせていただいたりしました。
その結果、例えば『売上や支払いをExcelに入力したりカレンダーに手書きしている』などの実態を把握し、操作性や見やすさの改善に活かしました。高機能だけでなく、“使われる設計”を重視し、入出金明細をカレンダーでも表示できるようにするなど、現場目線で必要となる機能を整えています。
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森澤:Cashmapという名前には、『資金繰りの現在地を把握し、将来を見通す“地図”のような存在に』という想いを込めました。ロゴは“羅針盤”をモチーフにし、事業者が迷わず進めるよう願いを込めています。
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青のカラーは安心感と信頼性を表現し、JCBの他サービスとの親和性も考慮しました。機能にとどまらず、中小企業や個人事業主の“経営のパートナー”になりたいという意志が込められています。
大倉:直近2〜3カ月は、興味を持った企業様がCashmapを申込いただき、使い始めていただいています。対面でご紹介すると多くの方が好反応で、『頭の中で管理していた資金繰りが、見える化されることで把握しやすくなった』『他の人にも説明しやすくなった』といった声が多く寄せられています。
大倉:Cashmapは資金繰り改善に貢献するサービスを段階的に展開しています。リリース時点では請求書のカード払い機能を導入し、支払いの先延ばしによるキャッシュフロー改善を図っています。また、10月7日にはオンラインレンディング機能を追加リリースしました。オンラインレンディングは、Cashmapに連携した口座情報をもとに、融資貸付条件を自動で算出・提示(レコメンド)します。提示された条件を参考にCashmap上からいつでも融資の申し込み手続きが可能になります。
2026年3月頃には、税金・公共料金等の支払機能を追加し、その後はファクタリング等を検討中です。
これらの機能を順次提供し、Cashmap上で資金管理から改善まで一貫して行える環境を整えていきます。
森澤:このようなサービス展開も、できるだけ現場で直接お客様の声を聞いて実現していきます。実際のニーズをより具体的に把握し、お客様の期待に応えていきたいです。
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大倉:実は、Cashmapの導入については地域金融機関様からのお問い合わせも増えてきており、現在はJCBの自社法人カード会員様向けに提供していますが、今後は当社のパートナー金融機関様経由で、さらに多くの中小企業や個人事業主の方々に届けたいと思っています。
パートナー金融機関様に、Cashmapを“地域金融機関と取引先法人をつなぐプラットフォーム”として活用いただくことで、資金繰り支援や業務効率化を推進したいと考えています。例えば、オンラインレンディング商品の追加などにより、パートナー金融機関様の業務効率や収益性の向上にも寄与できると考えています。
森澤:決済や資金管理は本業ではないにもかかわらず、多くの中小企業がその対応に時間を取られています。Cashmapを通じて、そうした煩雑な業務を裏から支え、本業に集中できる環境を提供したいと考えています。まずは気軽に使ってもらえたら嬉しいです。
大倉:JCBは決済にとどまらず、Cashmapを通じて資金繰りや業務効率化の支援まで行える存在を目指しています。お客様の声を反映しながら改善を重ね、中小企業や個人事業主の“よきパートナー”となるよう努めていきます。