南栄リース桜島グラウンドの第3グラウンド=鹿児島市桜島横山町
鹿児島市のスポーツ施設「南栄リース桜島グラウンド(桜島溶岩グラウンド)」について、「現在の予約制度は利用しづらい」との声が南日本新聞に寄せられた。グラウンドの一部使用の場合は2週間前からしか予約できず、予定が立てにくいという。市スポーツ課に事情を聞いた。
同施設はソフトボールをする場合、第1、2グラウンドがそれぞれ2面ずつ、第3グラウンドが4面分取れる。現在の予約制度では大会開催をはじめグラウンド全面を専用使用する場合、1年前から仮予約できる。一方、1面分など一部使用は、2週間前からしか予約できない。
手続き上は専用使用の予約をしていた場合も、利用直前までに一部使用に変更できる。ただし早くグラウンドを確保するために一部使用への変更を前提に専用予約すると、他の利用者が申し込みできない状況も出てくる。市は節度ある対応を求める。
昨秋、専用予約から変更しないまま1面だけ使い、1面分の料金しか支払おうとしない事例があった。利用者側は「これまでも同じ手続きで使ってきた。注意や説明を受けたこともなかった。突然、全面分を要求され驚いた」と話す。
市は、施設を運営する指定管理者らへの聞き取りで「なるべく利用者の意向に沿うように運用していた」ことを把握、管理者を口頭注意した。利用者に、さかのぼって使用料を求める予定はない。他の市スポーツ施設で似た事例は確認されなかった。
第3グラウンドをアマチュアが入場料を徴収せずに利用する場合、1面だと児童・生徒の団体は1時間当たり60円、それ以外の団体は130円。専用使用だと約4倍に膨れあがる。野球チームの練習で利用する50代男性は「使うのは1面だけで十分なのに専用使用では料金が4倍かかる。使用時間や日数が増えると負担が大きい」と制度改善を求める。
市民体育館や郡山総合運動場、あいハウジングドーム松元などの市スポーツ施設も、桜島と同じく専用使用と一部使用で申込期間が違う。市民体育館を利用していたスポーツ団体関係者は「2週間前からの予約では練習日程が立てられない。利用者も増え、希望日の確保も難しくなった」と現在は他施設を利用している。
市スポーツ課の東上床隆課長は現行の予約制度について、「見直しを含めて検討したい」と話した。