「出産のチャンスがあっても産みたいと思わない。キャリアがストップ…」 アンケート自由記述から見える女性の悩み、男性の悩み

2024/03/09 11:39
アンケートに寄せられた意見(自由記述欄より抜粋)
アンケートに寄せられた意見(自由記述欄より抜粋)
 アンケートの自由記述欄では、育児の苦労や仕事との両立の難しさについて、女性からの訴えが目立った。性別を問わずに聞かれたのは、「子育てができて幸せ」といった前向きな思い。経済的な負担の重さに加え、国の将来への不安、不妊治療の費用支援への要望も上がった。

 「出産のチャンスがあっても産みたいと思わない。妊娠出産でキャリアはストップする」。子どもがいる出水市の30代女性はこうつづった。鹿児島県薩摩川内市の30代女性は「働きながら育てるのは大変すぎて2人目は考えられない」と答えた。

 男性側は子育てに必要な費用への言及が際立ち、「子どもは欲しいが、現在の給料や物価高では経済的に厳しい」(鹿児島市の30代男性)、「経済的な理由で2人が精いっぱいだった」(同市の60歳以上男性)などが並んだ。女性が育児を担う傍ら、男性が家計の責任を負いがちな社会的性差(ジェンダー)が浮かんだ。

 子どもを持つことについては「良い経験」と捉える人が多かった。鹿児島県大崎町の40代女性は「子どもがいたから頑張れたことや出会えた方も多い」。鹿児島市の50代男性は「大変さもあったが、楽しいこと、感動が数百倍」と振り返った。

 子どもを「欲しくない」とした鹿児島県出水市の20代男性は「日本の将来に行き詰まりを感じる」。鹿児島県姶良市の50代女性は「娘には絶対子どもを持った方がいいとは言えない。女性が犠牲になるものが多すぎ、今の時代、子育てに優しくない」と憂えた。

 不妊治療に触れた回答は、幅広い世代で見られた。治療費の負担に関して伊佐市の60歳以上男性は「手厚い補助がないと若い人は大変」、鹿児島市の50代女性は「企業も妊活への支援や休みの優遇をして」とした。同市の40代女性は「治療をしても授からない人もいる事への理解がもっと広がって」と求めた。

 マイノリティーの立場を巡る意見もあった。同市の40代女性は「私も夫も精神障害で、互いの両親に子づくりは諦めるように言われた」。同市の20代女性は「性的少数者らへの配慮や対策を充実させて」と記した。
LINEから情報提供
以下のボタンからLINEで友だち追加して、メッセージを送ってください。アンケートなども実施します。
フォームから情報提供
以下のボタンから専用フォームへ行き、メッセージを送ってください。
ファクスから情報提供
ファクス:099-813-5174
郵便から情報提供
〒890-8603
鹿児島市与次郎1-9-33
南日本新聞社「こちら#373」係
【おことわり】
 すべてを取材できるわけではありません。公共性に乏しいと思われるケース、裁判で係争中の案件など、報道機関として取材するのが困難な場合もあります。ご理解ください。
 取材のために記者が返信する場合があります。取材源は秘匿しますのでご安心ください。

日間ランキング >