「3.11」から13年 東日本大震災、熊本地震…過去の教訓、能登に「十分生かせた」はわずか3.2% 南日本新聞など地方20紙が合同アンケ

2024/03/10 12:05
【円グラフ】能登半島地震に過去の教訓は生かされているか
【円グラフ】能登半島地震に過去の教訓は生かされているか
 東日本大震災から13年を迎えるのを前に、南日本新聞「こちら373」など読者とつながる報道に取り組む全国20の地方紙は、1月に発生した能登半島地震の対応で、東日本大震災や熊本地震など「過去の教訓が生かされたと思うか」を尋ねる合同アンケートを実施した。津波避難の呼びかけなどを評価する意見があった一方、避難環境などの改善を求める声も多く、受け止めは分かれた。

 アンケートは各紙が2月にLINE(ライン)や紙面などで呼びかけ、47都道府県と海外から計4681件の回答があった。

 教訓が「十分に生かされている」と答えた人は3.2%にとどまったが、「ある程度生かされている」と答えた人は35.6%で最多だった。

 教訓が生かされていると回答した理由として、石川県能登町の女性(64)は「全国からたくさんの救援物資や警察、消防の支援が届いた」とした。「緊迫した様子で避難をテレビで繰り返し呼びかけていた」(愛知県の女性62歳)など津波避難を理由に挙げる人が目立った。

 否定的な見方も多く、「あまり生かされていない」が21.2%、「生かされていない」は14.0%だった。「いまだに避難所では床に雑魚寝し、仕切りや暖房設備の整っていない所がある」(金沢市の女性53歳)などと避難所の環境を挙げる声が多く、「早急に(ホテルなどの)2次避難所に誘導してほしかった」(熊本市の男性73歳)という指摘もあった。

 「どちらともいえない」と答えた人も23.3%と少なくない。石川県小松市の男性(71)は「(能登)半島特有のアクセスの悪さがあり、復旧や復興が遅れている」と回答。「道路寸断など、救助したくてもできない状況が多かった」(福岡市の女性70歳)などの理由が寄せられた。



 アンケートは東日本大震災10年を機に始めた協働企画「#311jp」の一環。多様な意見を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なる。
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