アンケートでは、鹿児島県民から災害伝承碑を生かした教育や取り組みについても多くの意見が寄せられた。
「災害大国日本。なぜ防災教育を義務化しないのか」と、小中学校での取り組みを訴えるのは、鹿児島市の男性建設コンサルタント(49)。同市の会社員女性(46)も「子どもの頃から知り、触れることができるよう授業に取り入れたらいい」と求めた。
伝承碑から学ぶのは子どもだけではない。「自然災害から自分の身を守るため、先人たちの教えを学びたい」(和泊町・64歳女性)、「伝承碑の存在を確認したい」(志布志市・66歳男性)。このほか、回覧板や行政の広報紙で知らせてほしい、との意見も目立った。鹿児島市の無職男性(66)は「大きな災害の記憶や記録は重要。後世の人々が参考にできるものを地域や行政が残すことが必要」と記した。
伝承碑の活用について、同市の会社員女性(42)は「自分のこととして感じられるような工夫がほしい。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などを使えばリアルに感じるのでは」。
地域や自治会による活用を求める声も。同市の主婦(61)は「自治会活動への参加を煩わしく感じるようになっているが、災害時に声を掛け合い、逃げ遅れる人がいないようにするには近所同士のつながりが日頃から必要では。そんなつながりが持ててこそ、先人の言い伝えが広まる」との思いを寄せた。