女性ばかりが注目されて、男はつらいと言いにくい…「男性優遇」根強い社会構造の中、進むジェンダー平等に必要性は感じながらも男心が揺れている #こちら373

2024/11/19 11:30
 ジェンダー平等を推進する19日の国際男性デーに合わせ、南日本新聞「こちら373」は13、14の両日、ウェブ上でアンケートを実施した。目立ったのはジェンダー平等推進の必要性を男女ともに感じながら、「悪いのは男性」など性別による分断を生みがちな構造を懸念する声。識者は「性別を問わず前向きに関わりたくなる議論の場が重要だ」と指摘する。

 10~80代の255人(男性115人、女性132人、その他・答えたくない8人)から回答を得た。アンケートは多様な声を聞くのが目的で、無作為抽出の世論調査とは異なる。

 ジェンダーの議論に消極的な理由は「性別による分断を深めている」(25.0%)が最多、「男性が悪者になりがちな構造が嫌」(23.1%)が続いた。

 平等推進についての質問は「あまり関わりたくないが協力はしたい」が最も多かった。理由は「急な変化は時期尚早」(60代男性)などと社会が変わることへの戸惑いを感じる声が相次ぎ、格差解消の伝え方に対する抵抗感もにじんだ。

 ジェンダー平等の考え方が浸透し「生きづらくなった」のは、男性がわずかに女性を上回り、理由は「注目されるのは女性ばかりで男性はつらいと言いにくい」が多かった。

 四国学院大の大山治彦教授=ジェンダー学=は、「変化を好まない国民性もあり、男性優遇の社会構造は根強い。抑圧していることに気付かず、男性は当たり前と思っていた特権を奪われたと感じたり、平等になったという感覚を持ったりしやすい」と分析する。

 その上でジェンダー平等は「女性に焦点が当たり、男性の問題は同等に扱われにくい」と指摘。「格差は社会が作り出す。個人の責任にすると生き方を否定されたと感じ、対立を生む。男性の悩みや生きづらさに目を向けることも大切だ」と話した。
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