出水市立江内中学校|古里の象徴のツルや干拓地を歌詞に

2025/10/08 05:00
江内中学校の校舎=出水市高尾野町江内
江内中学校の校舎=出水市高尾野町江内
 シベリアから飛来するツルのねぐらがある荒崎休遊地の西方面に位置する。近くの「笠山」同様、学校上空では北帰行が見られる。一帯は干拓で築かれ、豊かな自然も魅力だ。

 文集「鶴の江」には、校歌は1961(昭和36)年職員会作と残る。当時、2年生だった湯田好江さん(78)は「山下勝志校長が作詞し、曲は音楽の森川意子教諭を中心に作られた」と振り返る。その後の卒業アルバムや学校要覧には、江内中文化部作詞・作曲と記される。

 校歌は1番<笠山>、4番<荒崎>など地名が入る。2番は<ノート、ペン>と向学、3番<たくましき>と健康を連想させる。4番までと長く、最近まで行事での斉唱は1、4番だった。福島三鈴校長(58)が「歌詞に込められた思いを感じて」と昨年から始業式1、2番、終業式1、4番、運動会3番、入学式と卒業式は全てにした。

 卒業生の高松重信さん(77)は「ツルや開拓が出てくる4番が好き」。同い年の原田光文さん(77)は在校生47人に「歌詞の意味をかみしめ、江内を誇りに思って」と願う。

■メモ 1947(昭和22)年5月、三笠村立として創立。49年4月に江内村立、59年4月に高尾野町立となった。校訓は向学、友愛、健康、克己。卒業生は4634人。サッカー日本代表のGK大迫敬介選手の出身校。小中一貫校の江内小と合同運動会で郷土芸能「山田楽」を踊る。

●出水市立江内中学校校歌

作詞・作曲 江内中文化部


笠山の緑に映えて
この里にみなぎる陽光
腕を上げ大気を吸いて
ふり仰ぐ 空の青さよ
若人の集い 明るく
生気充つ わが江内中


不知火の潮の香りを
漂わす 窓のそよ風
純白のノートをたどる
一筋のペンの光よ
若人の瞳は澄みて
真理追う わが江内中


雲白き丘に木魂し
とよもすは若き雄叫び
木々青く 花は豊けき
この庭に競う力よ
若人の生命は燃えて
たくましき わが江内中


シベリアの夢を運びて
鶴の来る広き荒崎
肩よせて友と語らう
開拓の古き歴史よ
若人の希望 はるかに
誇りあれ わが江内中

校歌の風景

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