社説

[新学期スタート]つらいときは休もうよ

2025年8月31日 付

 いま憂うつな気持ちになっていませんか。

 新学期が近づくと、学校に行くのがつらい、だるい、何となく不安。そう感じる児童、生徒がいます。夏休みの間、せっかくつらいことから離れられたのに、また一日の大半を学校で過ごさなきゃいけない。でも、苦しいときは、無理しなくていいんだよ。

 不登校について長年、取材を続けているジャーナリスト石井志昂さんは「“休む技”を身につけよう」と助言します。

 つらさを感じたら、まずは立ち止まって気持ちを整理しよう。信頼できる友達や家族、先生に気持ちを伝えたり、メールを送ったりするだけで心が軽くなることもある。

 好きなことに打ち込む時間をつくろう。音楽を聴く、映画を見る、絵を描く-。何だっていい。少しずつ心に余裕が生まれてくるはず。

 道は一つじゃない。今は学校以外の居場所もたくさんある。助けてくれる人、思いを共にする人が必ずいる。

 つらいと思う気持ちは、決して間違っていない。自分を責めないで。一人で抱え込まないで。石井さんはそう呼びかけます。

 こんなデータもあります。生きづらさを感じている小中高生のうち、夏休みが終わることに「死にたい」「消えたい」と思う人が24%。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」が今月、約1000人から聞いたインターネット調査です。

 しんどさを「相談しない・できない」と感じる理由を聞くと、46%が「どうせ分かってもらえない」、38%が「負担や迷惑をかける」。

 つらい思いを抱え込んでいるのは、あなただけじゃないんです。

 きのうの南日本新聞に、不登校を経験した社会人や学生のアドバイスが載っています。

 周囲から心配されるのがきつかった、学校に体が拒否反応を示した、受験のストレスで無気力になった-。そんなつらい時期を乗り越えてきた先輩たちの言葉です。

 「焦らず、できることを少しずつ」「自分の心と向き合う時間を大切に」「通信制などさまざまな選択肢があることを知ってほしい」

 我慢して学校に行くことだけが正解じゃない。相談電話や交流サイト(SNS)も、遠慮せず利用してみよう。

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