■搭乗員の遺骨が見つかる可能性が高いとされる操縦席とみられる部分=8日、西之表市国上沖
〈ルポ〉
終戦から76年。種子島北端の喜志鹿(きしが)崎沖(西之表市国上)の海底で静かに眠る旧日本海軍の主力機、九七式艦上攻撃機(九七艦攻)。日本戦没者遺骨収集推進協会による遺骨や遺留品収集、機体引き揚げを前に8日、ダイバーによる事前調査に同行した。
機体が沈むのは喜志鹿崎沖北約300メートル地点の水深約18メートルの砂地。2015年秋、裏返った状態で沈んでいるのが見つかった。両主翼の半分を失い、残存部分は長さ8.8メートル、幅7.3メートル。事前調査でダイバーは砂を払い、状態を丹念に確かめた。
操縦席とみられる部分は砂に深く埋もれている。旧日本軍独特の深緑の塗装がはげかかっている箇所もあった。レプリカでしか目にしたことのない色彩に戦争を感じ、思わず身震いした。
遺骨・遺留品調査は15日から始まる。