噴石が南東900メートルまで飛んだ23日午前0時4分の爆発(鹿児島地方気象台提供)
福岡管区気象台は23日午前0時15分、十島村・諏訪之瀬島の御岳の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。火山活動が活発化し、居住地近くまで噴火の影響が及ぶ恐れがあるため。火口から2キロの範囲で大きな噴石に警戒を呼び掛けている。
気象台によると、21日午後10時54分と23日午前0時4分の爆発で、弾道を描く大きな噴石がそれぞれ北西と南東に900メートル飛んだ。「火口中心から1キロ付近まで飛散する大きな噴石を48時間以内に複数回観測」の引き上げ基準に達した。
島には御岳の南南西約4キロ付近に84人が住む。村によると、人や建物への被害は確認されていない。村は鹿児島市の村役場で警戒に当たっている。県もレベル引き上げに伴い、災害警戒本部を設置した。
御岳は今年3月30日夜と31日未明の爆発で大きな噴石が火口からそれぞれ約800メートル飛び、同日噴火警戒レベルを3に引き上げた。その後、火山活動は沈静化し、4月5日に2に下げた。
気象台は、この半年ほどで御岳が活発化していることについて、「諏訪之瀬島の地下にマグマが流入していることが要因とみられる」としている。