3回裏大島1死一、三塁、武田が左前適時打を放つ=平和リース
見事な集中攻撃だった。大島は3回、3本の適時打で3点を先取。試合で放った安打7本のうち4本をこの回に集めた。甲子園春夏連覇の実績を持つ強豪・興南(沖縄)に快勝し、2度目の選抜大会へ大きく近づいた。
3回は1死一、二塁のピンチを切り抜けた直後の攻撃だった。「前日かなり練習した」という直江のセーフティーバントなどで好機を広げる。大野が「狙っていた」という内角直球をはじき返して先制。武田、中も後に続き、あっという間に3点を奪った。中は「内角低めの変化球。打った瞬間ヒットだと確信した」と喜んだ。
攻撃だけでなく、守備での集中力も光った。得点圏に走者を背負った7回、三塁手の前山が強烈なライナーをジャンピングキャッチ。続く打者が放った外野への難しい飛球も、左翼手の竹山が好捕した。最終回には一塁手の田邊がゴロに飛びつき、ピンチの芽を摘んだ。守備の位置取りもよく、野手正面への打球が目立った。前山は「(公立の進学校で)練習時間が短い分、一球一球を大切にしてきた。成果が出た」と胸を張った。
21世紀枠で出場した前回とは違い、自力でセンバツ切符を引き寄せた。塗木哲哉監督は「九州大会は続いている。準決勝でも頑張りたい」。次は出場を「有力」から「確実」に進める戦いが待つ。