他国からの武力攻撃想定し国と広域避難訓練 鹿児島県、23年度に実施へ 県境越えも想定

2022/02/26 07:35
 鹿児島県は25日、他国から武力攻撃を受ける事態に備え、住民を県外避難させる内容の実動・図上訓練を2023年度に国と共同で実施すると明らかにした。県はテロへの対応を確認する国民保護訓練を国と過去5回しているが、武力攻撃想定の広域避難訓練は初めて。22年度には実動訓練に向けた図上訓練をする。国や自治体、警察、消防、自衛隊など関係機関の相互連携強化を図る。

 実動・図上訓練の時期や場所は国や自治体と協議して決める。内閣官房によると、国主導の重点訓練は全国6地域ブロックを持ち回りで実施し、武力攻撃に備えた訓練は本年度追加した。

 1月14日に高知県で初めて実施した訓練は、同県が他国から攻撃目標となる可能性が高まったと想定し、国が「武力攻撃予測事態」に認定。約1カ月かけ全県民を山口と愛媛両県に避難させる内容だった。図上のシミュレーションに加え、実際に住民役のエキストラをバスで港や空港に運んだ。

 県議会代表質問で県民連合の前野義春議員(鹿屋市・垂水市区)への答弁。

 海洋進出を強める中国を念頭に、国が奄美などを含む南西地域の防衛力強化を図る一方、基地が「標的」となる恐れが高まるとの懸念もある。住民の避難対策について橋口秀仁・危機管理防災局長は「訓練を通じ(県や市町村が定める)国民保護計画の実効性確保に努める」と述べた。

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