アフガニスタンに贈るランドセルを並べる卒業生=3月31日、阿久根市の脇本小学校
●阿久根
阿久根市の脇本小学校が、使わなくなったランドセルをアフガニスタンに贈る準備を進めている。現地の教育環境を学んだ卒業生21人が、「受け取った子どもたちが笑顔になれば」との思いを込めて提供した。
卒業生は昨年9月、東京の公益財団法人「ジョイセフ」の担当者と同校を結んだオンライン授業に参加。子どもが労働力と見なされ学校に通えなかったり、女性の教育が制限されやすかったりするアフガニスタンの実情を学んだ。
担当者は、ランドセルを贈る活動は現地の子どもが学習意欲を高めるきっかけになっていると紹介。卒業生は、校舎のない青空教室でランドセルが机代わりに使われる写真も目にし、「少しでも役に立ちたい」と関心を高めたという。
回収最終日の3月31日までにランドセルが次々と校内に持ち込まれ、計21個が集まった。早水悠泰君は「物を捨てずに何かに役立てる気持ちを持ち続けたい」と話した。
児童や保護者、住民がアルミ缶を回収し発送費の一部を捻出。月内にジョイセフなどを通じて届けられる。
●薩摩川内
卒業式を終え、薩摩川内市社会福祉協議会(上屋和夫会長)に役割を終えたランドセルが続々と持ち込まれている。アフガニスタンの子どもたちに贈りたいと願う親子たちで、受け入れる職員は「ありがたい」と感謝する。
ランドセルの寄付は、同社協が実施している「収集ボランティア」事業の一つ。全国の窓口になっている公益財団法人ジョイセフに春と秋の年2回送り、アフガンに届けられる。
社協では1年を通じて随時受け入れているが、卒業式を終えたこの時期が例年最も多いという。昨秋から1日までに集まったのは19個。うち7個が3月24日の卒業式後に持ち込まれた。
アフガンへの送料はランドセル1個に付き1800円かかり、書き損じはがきの益金で賄っている。担当する地域福祉課の曽木由香さん(46)は「一緒に持ってきてもらえればありがたい」と呼び掛ける。同社協=0996(29)5538。