遺品やパネルで伊舍堂用久中佐の生涯を伝える企画展=南九州市の知覧特攻平和会館
南九州市の知覧特攻平和会館で、沖縄戦で陸軍最初の特攻隊長を紹介する開館35周年記念企画展「千尋の海にいきて-伊舍堂用久(いしゃどう・ようきゅう)中佐と家族の絆-」が開かれている。24歳で戦死した青年の人生を、家族とのエピソードを交えてたどる。6月11日まで。
伊舍堂中佐は沖縄県の石垣島出身。東京の陸軍士官学校に進み、パイロットとなり中国や台湾の作戦に従事。1945年3月26日に故郷の島から米艦船に特攻した。企画展のタイトルは「指折りつ 待ちに待ちたる機ぞ来る 千尋の海にちるぞたのしき」の辞世の句から。
会場には、家族から送られた士官学校合格祝いの電報や、台湾へ向かう航空機から石垣島に投下した家族への手紙などを展示。羽場恵理子学芸員(27)は「伊舍堂中佐と家族が大切に思い合っていた様子を、遺品から見てもらえたら」と話す。入館料は高校生以上500円、小中生300円。