遺影が並べられた慰霊碑に千羽鶴を奉納する参列者=出水市平和町の特攻碑公園
太平洋戦争時に旧海軍航空隊基地が置かれていた出水市平和町で16日、特攻隊員の慰霊祭があった。市特攻碑顕彰会の役員と遺族ら約30人が、遺影が並べられた特攻碑公園の石碑「雲の墓標」に白菊を献花し、不戦の誓いを新たにした。
慰霊祭は63回目。例年200人以上が参列してきたが、新型コロナウイルス対策のため、3年連続で規模を縮小した。特攻機が向かった南の方角を向いて全員で黙とうし、若くして命を失った隊員をはじめ、基地にかかわった戦没者638柱の霊を慰めた。
吉田国蔵副会長は「戦争を繰り返すことのないよう、祖国に殉じた思いを次の世代に引き継ぎたい」と慰霊の言葉を述べた。大山勉さん(95)=姶良市=は「(年を重ね)今年が最後になるのでは、との思いで毎回参加している。平和な世の中であることに感謝したい」と、出水から出撃した義兄の向江道雄さんをしのんだ。
慰霊祭は石碑が建立された1960年4月16日以来、毎年開かれている。