犠牲者の冥福を祈り、玉串をささげる参列者=鹿児島市の護国神社
太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲になった鹿児島県出身者2928人を悼む慰霊祭が19日、鹿児島市の県護国神社であった。遺族ら14人が戦没者をしのび、世界平和を祈った。
主催した県沖縄戦没者慰霊会の麓川昭憲会長(79)は「ロシア軍のウクライナ侵攻は、米軍の艦砲射撃で開始された沖縄戦と重なる。次世代に戦争の記憶を語り継ぎ、犠牲者の安らかな冥福を祈る」と述べた。
沖縄戦で祖父の有川主一さんを亡くした鹿児島市吉野町の保育士竹下玲子さん(70)は「子どもたちに、いつも『正直に生きろ』と言い聞かせる、とても実直な人だったと母から聞いた。ウクライナの惨状を見ていると、人ごとと思えない。一日も早く平和な日々が戻ることを願っている」と話した。
沖縄戦は1945年3月26日に始まり、6月23日に終わったとされる。沖縄県民の約4人に1人が亡くなり、日米双方で計20万人以上が犠牲になった。