試合開始直前になっても続く観客の列=24日午前10時すぎ、鹿児島市の平和リース球場
第104回全国高校野球選手権鹿児島大会の決勝があった24日、鹿児島市の平和リース球場には、午前10時5分の試合開始前から観客が殺到し、開始後も入場できずに長蛇の列ができた。県高野連は5回裏終了後、急きょ外野席を無料開放して対応した。
試合は離島勢として初めて決勝に進んだ第1シードの大島高校と4年ぶり20度目の甲子園出場がかかる伝統校・鹿児島実業高校の一戦。
県高野連によると、入場開始を予定より30分早い8時45分に変更したものの、試合開始が近づくと一段と人が詰め掛けた。新型コロナウイルス感染対策で名前の記入や手指消毒、検温をしたため、「入場まで想定より時間がかかった」という。並んでいる途中に熱中症になる懸念もあり、県大会では初めて外野席を開放した。観客数は集計していない。
同市南林寺町の橋村龍哉さん(63)は午前9時半に球場に着き、観戦できたのは11時すぎ。「列に並ぶ途中で諦めて帰宅したり、体調が悪くなったりした人もいた。高野連は再発防止に取り組んでほしい」と注文した。
特に大島高校の三塁側スタンドは、奄美大島や県内外からのファンで埋まった。同校野球部保護者会の西田哲(さとし)会長は「結果は残念だったが、たくさんの人が駆け付けてくれ、一緒になって応援できたのは良かった」と話した。