【関連表】JACとANAの共同運航路線
日本エアコミューター(JAC、鹿児島県霧島市)を含めた九州の地域航空3社と大手の全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の5社は23日、大手間の系列を越えた国内初の共同運航を10月30日から始めると発表した。販路を広げて、旅客数の増加や路線の維持を目指す。
今回の共同運航で、JAL系列のJAC便の一部にANA便名が付き、ANAのサイトから予約ができるようになる。対象は鹿児島-種子島(6便)、鹿児島-奄美大島(4便)など14路線の計44便で、8月30日から予約を受け付ける。
共同運航便では、ANAのマイレージポイントをためることも可能になる。国内外含めて約3000万人以上いるANAのマイレージ会員に向けて、世界自然遺産に登録された奄美方面への訴求も期待できるという。ANA鹿児島支店の藤崎美保支店長は「観光としても需要が大きい離島航路は生活航路でもある。航路維持に協力できる」と話す。JACの担当者も「人口減少が進む中、新規の需要を掘り起こせば、離島の交流人口拡大につながる」と期待する。
5航空会社は2019年、経営効率化を目指して「地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合」を立ち上げ、利用促進に向けた取り組みを続けてきた。JACと天草エアライン(熊本)が運用しているATR機を、オリエンタルエアブリッジ(長崎)も今後導入し、運転や整備能力の共有、部品の供給体制など連携をさらに強化する。