感謝状の盾を手にする稲盛和夫・京セラ名誉会長=2017年11月、鹿児島市の鹿児島大学
京セラ(本社・京都市)の稲盛和夫名誉会長(85)=鹿児島市出身=が16日、同社の株式100万株を母校の鹿児島大学へ寄付した。同日の株価(終値)は8022円で、時価80億2200万円となる計算。
鹿児島市の鹿大本部で受納式があり、稲盛さんが前田芳實学長に目録を手渡した。稲盛さんは「鹿大あっての自分と感謝している。学生のため有効に使ってほしい」と語った。
寄付した株式は、個人で所有してきた分の一部。鹿大は通常会計とは別に、近く稲盛さんを記念する基金を設けて株式を管理し、配当益で教育・研究の充実を図る方針。配当のみでも、年間数千万円から1億円程度に達するとみられる。
稲盛さんは恩師との交流など学生時代を振り返り、鹿大への愛着を語った。「日本全体で見れば、決して有名な大学ではない。これをもとに優秀な学生や教員が研究したいと思うような大学になれば」と期待を込めた。
前田学長は「『進取の精神』を体現した稲盛さんの足跡は鹿大の誇り。留学する学生や若手研究者たちを支援していきたい」と感謝した。
鹿大は1999年に名誉博士号を贈呈。稲盛さんは、過去にも数回にわたって計21億円を寄付している。
(2017年11月17日付紙面掲載)