京セラ・稲盛さん〝ロス〟 言葉で埋める 経営哲学や人生論「勇気づけられた」 書店や図書館に特設コーナー

2022/09/01 12:14
店内に設けられた稲盛和夫さんの著作コーナー=鹿児島市のブックスミスミオプシア
店内に設けられた稲盛和夫さんの著作コーナー=鹿児島市のブックスミスミオプシア
 京セラ名誉会長の稲盛和夫さんの訃報を受け、鹿児島県内の書店や図書館は31日、相次いで追悼コーナーを設けた。郷土の先輩が記した経営哲学や人生観に触れようと、訪れた人が著書を手に取っていた。

 鹿児島市のブックスミスミオプシアは、人生論をまとめた「生き方」や語録「一日一言」などを特設コーナーで紹介、50点近い在庫をそろえる。担当の岡元謙弥さん(26)は「新著が出るたびに人気を集め、売り手としても気合が入った」。訃報の反響は大きく、追加発注もしたという。

 同市のパート、下市美佐さん(74)は「心の在りようを大事にする生き方や哲学に共感を覚える。稲盛さんの考えは、今後の人生にも役立つと思う」と語った。

 県立図書館は著書や関連の蔵書160冊の中から約30冊を集めた。髙柳智恵司書(35)によると、人生観をまとめた本の貸し出しが多い。「鹿児島で育まれた価値観や道徳心、その後の業績を多くの人に知ってほしい」と話す。

 数冊借りた同市の教員、馬場晴子さん(46)は「20代の頃に自叙伝を読み、逆境でも前向きに努力しようと呼びかける言葉に勇気づけられた」としのんだ。鹿児島市立図書館も1日、追悼企画展を始める。

 稲盛さんの本は共著を含め、累計発行部数2200万部超で、海外でも高い人気を誇る。多くの著書を扱うPHP研究所は「成功への情熱」など4冊を計1万5000部増刷すると決めた。

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