協議に臨む西之表市の幹部(右側)と防衛省の担当者=5日、西之表市役所
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、防衛省は5日、市有地の馬毛島小中学校跡地約8850平方メートルを購入したい意向を明らかにした。土地取得後の旧校舎については「老朽化が激しく、危険を取り除く意味でも解体ということになる」としている。
市役所で同日あった市との9回目協議で、八板俊輔市長らに伝えた。隊員宿舎の候補地としている下西校区の市有地(同市西之表)も購入する方針を改めて示した。いずれも金額は提示しなかった。このほか、馬毛島島内3市道の廃止手続きを市に要請した。
協議は冒頭以外非公開。終了後、八板市長は「市有地としておきたい気持ちはあるが、防衛省の意向と現状を考えなければならない」と述べた。八板市長はこれまで、学校跡地の売却や市道の廃止について市議会などで「考えていない」と否定していた。
同省の原田道明参事官は「具体的に進める方向で話ができた。買い取りに向けた手続きを速やかに進めたい。その中で金額を提示できれば」と話した。