奄美大島に生息する国の特別天然記念物アマミノクロウサギ
あまみ大島観光物産連盟(奄美市名瀬)は11月1日~2023年1月9日まで、奄美大島への来島者から「環境文化協力金」を徴収する実証事業を行う。世界自然遺産に登録された自然を継続的に保全し、島独自の伝統文化を継承する資金に充てる。実証事業を経て、23年度中に島内5市町村へ関連条例の制定などを提案する。
バーコードを添付したポスターを奄美空港や観光地など18カ所に掲示。スマートフォンで読み取り、キャッシュレスで協力金を支払えるようにする。ホテルやレンタカーにもポストカードを置き、周知する。
強制力はなく、賛同者から一口100円を徴収する。総額や手法を検証し提案内容をまとめる。事業費は約500万円。観光庁の「持続可能な観光推進モデル事業」の支援を受ける。
協力金の活用先は、観光地の清掃や外来種駆除、伝統行事の継承などを想定。境田清一郎事務局長(69)は「自然や文化を守る経費を負担してもらうことで、訪れる人と一緒に観光地を作り上げていく機運を醸成したい」と話した。
同連盟は昨年度、ウェブ上でアンケート調査を実施、奄美大島の来島者らの約8割が導入に「賛成」「容認」とした。観光地の協力金は、世界自然遺産の屋久島が「入山協力金」を導入している。