献花する遺族ら=25日、鹿児島市の県体育館
鹿児島県戦没者追悼式が25日、鹿児島市の県体育館であった。県内の遺族ら約100人が参列。戊辰戦争から太平洋戦争までの県出身戦没者約8万1000人と戦災死没者約4400人の冥福を祈り、不戦と平和を誓った。
1965年から続き58回目。新型コロナウイルス感染防止のため、3年連続で規模を縮小した。遺族を代表して、父親をフィリピン・ルソン島で亡くした谷山地区遺族会の伊牟田洋さん(78)=鹿児島市=が登壇。第2次世界大戦後も世界で戦争が絶えない現状に触れ、「人命が損なわれ、貧困や孤児などの課題が続いている。世界平和のために政治のあり方を考え、若い世代に託したい」と述べた。
最高齢の参列者で加治木町遺族会長の坂元廣子さん(89)=姶良市=は、44年、フィリピンのレイテ島で父親が戦死した。「ウクライナの戦争は、子どもの頃を思い出す。何としても早く終わらせないといけない。戦争を風化させないよう、体験を語っていきたい」と話した。