旧海軍串良基地から出撃 特攻隊員573人の冥福祈る 生存者の人間国宝・井上萬二さん「20世紀の若者の悲劇刻む日」 鹿屋

2022/10/26 14:07
追悼の言葉を述べる井上萬二さん=鹿屋市の串良平和公園
追悼の言葉を述べる井上萬二さん=鹿屋市の串良平和公園
 旧海軍航空隊串良基地出撃戦没者追悼式が鹿児島県鹿屋市の串良平和公園であった。遺族ら約130人が、同基地から出撃して戦死した特攻隊員など計573人の冥福を祈り、平和を誓った。

 生存者を代表して有田焼の陶芸家で国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の井上萬二さん(93)=佐賀県有田町=が「今日は20世紀の若者の悲劇を刻む日。今の日本の平和が永遠に続くことを祈っている」とスピーチした。

 井上さんは串良基地に終戦まで約1カ月半配属されたという。式後、「戦争を知らない若い世代が平和の在り方を考えて、実行に移してほしい」と訴えた。

 公園一帯にあった串良基地は太平洋戦争末期に教育航空隊として開隊。1945年3月から特攻隊基地となった。69年に当時の串良町などが慰霊塔を建立して以来、毎年追悼式が営まれ、今年は15日にあった。

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