特攻兵題材 不時着相次いだ黒島で創作劇披露へ 伊集院高校演劇部 特攻平和祈念祭での公演へ熱

2023/05/10 15:01
黒島公演に向け熱のこもった練習をする伊集院高校演劇部員=鹿児島市のかごしま県民交流センター
黒島公演に向け熱のこもった練習をする伊集院高校演劇部員=鹿児島市のかごしま県民交流センター
 鹿児島県立伊集院高校(日置市)の演劇部が、13日に三島村の黒島で開催される特攻平和祈念祭で、島に不時着した特攻隊員を題材にした劇を披露する。部員らは本番に向け、練習に熱が入っている。

 黒島は太平洋戦争末期、本土から沖縄方面へ出撃する特攻機の通過点になっており、機体不良などで多くの不時着、墜落があった。島人に救助された隊員の話は、これまで書籍化や映像化されている。

 演劇部顧問の上田美和教諭(51)が、これらを参考に島にも足を運んで、創作劇「See you tomorrow(シー ユー トゥモロー)」の脚本を仕上げた。

 昨年鹿児島市であった九州高校演劇研究大会に出場。観覧していた三島村役場関係者から祈念祭への打診があった。3月に3年生が卒業し、4月以降は配役を一部変更して練習に励んできた。

 5月4日は鹿児島市のかごしま県民交流センターで、照明などを使った本格的な通し稽古を実施。主役の特攻隊員・柴田を演じる2年の上江聖さんは「柴田になりきって喜怒哀楽を表すことで、存在感を示したい」。柴田を看護する島の娘シナ役の3年・菊永紅彩さんは「特攻隊員の心情を理解するため、知覧特攻平和会館にも行った。島の実在の人物なので丁寧に演じたい」と語った。



 「See you tomorrow」のあらすじ 太平洋戦争末期、知覧飛行場を飛び立った特攻隊員・柴田の機体がエンジンの不調で黒島に不時着。瀕死(ひんし)のやけどを負い、島のシナ、サダ姉妹の献身的な看護で一命を取り留める。別に不時着した特攻隊員との友情やシナとの淡い恋などが、後日談の形で描かれる。

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