薬物依存症になった経験を話す長久保剛施設長(中央)=鹿児島市の鹿児島南高校
薬物やアルコール依存者を支援するリハビリ施設「鹿児島おいどんダルク」(鹿児島県霧島市)の依存症当事者3人が、鹿児島市の鹿児島南高校で講話した。全校生徒約930人が、依存症に陥る経緯や回復に必要な治療を当事者から学んだ。
上司の誘いを断り切れず薬物使用を始め、約20年間幻聴などに苦しんだ長久保剛施設長(56)は「治療を受け薬物をやめて16年になる。勧めてくるのは身近な人が多い。断ったり相談したりする勇気を持って」。アルコール依存症の男性(53)は「寝る時以外はお酒を飲んでいないと苦しかった。自分の意思ではどうにもできない病気。飲み方次第で依存症に陥ると知ってほしい」と訴えた。
講話は2日あり、2年牧内咲葵さんは「幻聴幻覚に苦しむだけでなく、家族も巻き込む病気なんだと思った。安易な気持ちで手を出すべきではないと痛感した」と話した。鹿児島おいどんダルク=080(2555)7423。