落差46メートル、幅60メートルの滝とエメラルドグリーンの滝つぼが映える雄川の滝=南大隅町根占
南大隅町は、同町根占の観光名所「雄川の滝」で11月3~5日、入園料を取る実証実験をする。町は災害復旧や維持管理などで多くの経費をかけており、持続可能な利用と保全のため、利用者にも一部を費用負担してもらうことも考えている。
雄川の滝は落差46メートル、幅60メートルの滝とエメラルドグリーンの滝つぼが映える名所。2018年にNHK大河ドラマ「西郷どん」のオープニングで映像が流れたこともあり、入り込み客数は18年度に17万6115人に達した。近年は新型コロナウイルスの影響もあり、7万人前後で推移している。
入園料は大人(中学生以上)が300円、小学生150円で、幼児は無料。午前8時半~午後5時の時間帯で係員に現金で支払う。錦江町の上流展望所は、実験の対象外となっている。
南大隅町では、災害時の復旧対応や施設の維持管理、繁忙期の交通渋滞対応などで毎年1000万円ほどの経費が必要となっており、22年度は約1130万円を支出。今年8月の台風6号では、遊歩道で崩土があり、復旧作業で1カ月ほど立ち入り禁止となった。
住民や県の観光関係者らでつくる検討委員会を今年設置し議論。町の財源不足や、自然を生かした県内外の観光地で入山料や利用料を徴収していることなどから実験をすることになった。町企画観光課の立神久仁子主幹(49)は「利用者の声を受け、有料化や金額の設定など、どのような形がいいのかを検証したい」と語った。