コオロギ養殖で市来農芸高が内閣総理大臣賞! エコワンGP最高賞の斬新なアイデアとは?

2023/12/30 13:54
賞状を手に笑顔を見せる市来農芸高校の生徒=いちき串木野市の同校
賞状を手に笑顔を見せる市来農芸高校の生徒=いちき串木野市の同校
 市来農芸高校(鹿児島県いちき串木野市)の生徒による養殖コオロギを家畜用飼料に活用する取り組みが、「イオンエコワングランプリ」の研究・専門部門で最高賞の内閣総理大臣賞に選ばれた。飼料価格高騰の対策につながる提案に、審査員からは「斬新なアイデア」と高い評価を受けた。

 全国の高校生が日頃取り組むエコ活動を競うコンテストで、同部門には134点の応募があった。市来農芸高は「自主研究班」の2年生5人による活動。薩摩鶏の飼育者から飼料高騰に苦しんでいると聞き、高タンパクのコオロギに着目。昨秋から養殖を始めた。

 一般的な配合飼料では輸入の大豆かすなどで賄うタンパク質を、コオロギで代用。パウダー状にしたものを1%分と、米ぬかやもみ殻といった安価な材料を発酵させた自作の発酵飼料を配合飼料と混ぜた。

 コオロギは少量の餌や水で養殖が可能。発酵飼料をつくる熱で飼育環境を適温に保ち、環境負荷も少なくした。配合飼料のみに比べて1キロ当たり37円削減でき、県内の養鶏羽数に換算すると1日約6300万円減らせるという試算も示した。

 9日に東京で畜産科の上村愛さんと農業科の福山智子さんが発表した。2人は「コオロギ養殖は前例が少なく苦労したが、評価してもらい光栄。実用化を目指して研究を続けたい」と意気込んだ。

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