講演後に学生らと交流するウクライナのコルスンスキー駐日大使=24日、鹿児島市郡元1丁目の鹿児島大学
軍事侵攻したロシアとの戦闘が続くウクライナのコルスンスキー・セルギー駐日大使が24日、鹿児島市の鹿児島大で講演した。「安定した国際社会を作るため、同志国は協力し合わなければならない」と訴え、避難民の受け入れなど日本の支援に感謝した。
2月で侵攻2年となるのを前に、平和な世界の構築を考えようと鹿大法文学部が招いた。学生や教職員約100人が聴講した。
コルスンスキー大使は軍事施設のない街が攻撃され、多くの市民が犠牲になっていると説明。侵攻の影響で、日本を含む各国の防衛費が増大したと指摘した。
中東問題といった世界の政治的対立については「軍事的対立に発展させないよう、どう行動するかが肝心。国々は力を合わせるべきだ」と強調した。
理学部3年の児玉豪さんは「戦争で日常が失われていく生々しい現状を知った。他国との関係を保つにはどうすればいいのか、自分なりに調べたい」と話した。
講演後は学生らとの交流会もあり、戦争終結後に求める支援を尋ねられた大使は「地雷の除去や復興支援など日本の技術が必要だ」と答えた。